ウーバーイーツの配達員の仕事は、18歳以上なら誰でも気軽にはじめられます。
なおかつ、配達員として働けばかなり高い確率でお金を稼ぐことができます。
配達員の仕事が新型コロナ禍で失業した人の受け皿になっている、という報道[1]東京新聞:Uber 配達員増えすぎ苦境 コロナ禍での失業者の受け皿だったが…もあります。
もしこの報道が事実なら、ウーバーイーツは社会で仕事に困った人を保護する大事な役割をになっている、ということになります。
そんなウーバーイーツの配達員ですが、仕事としての将来性はどうなのでしょうか。
将来性はあるのでしょうか。
それとも無いのでしょうか。
この記事ではウーバーイーツの配達員の、仕事としての将来性について説明します。
少し長い記事ですが、配達員として働いていたり配達員として働こうか迷っている人はぜひ読んでください。
将来性についての結論を知りたい方は
ウーバーイーツの配達員は将来性がある仕事なのか?
配達員として働きながらどうやって将来に備えたらいいかを知りたい方は
ウーバーイーツの配達員として働いている人は将来に備えて何を学べばいい?
それぞれのリンクをタップし、知りたい場所から読んでください。
気になる場所から読み進めて頂いても、まったく問題ありません。
将来性がある仕事とはどんな仕事なのか?
まずはじめに
「将来性がある仕事」
とはどんな仕事なのかを定義します。
一般的には
これらの項目に該当する仕事が、将来性がある仕事だと考えられます。
言い換えると、将来性がある仕事とは
「これから先の未来も安定して収入が得られる仕事」
とも言えそうですね。
配達員の仕事が「将来性がある仕事の定義」と一致するかチェック
これから、ウーバーイーツの配達員の仕事が
「将来性がある仕事の定義」
として挙げた3つの項目に一致するかをチェックしていきます。
具体的には
- フードデリバリー市場は成長産業か?
- ウーバーイーツの配達員の需要はこれからどうなるか?
- 配達員はキャリアアップができ、収入が上がるのか?
この3つをチェックして、ウーバーイーツの配達員の将来性を判断します。
フードデリバリー市場は成長産業か?
ウーバーイーツの配達員は
「フードデリバリー市場」
という市場に属しています。
もしフードデリバリー市場が順調に成長していれば、将来性がある仕事を定義したときに項目としてあげた
「成長していて、これからも成長が続く産業分野(市場)で働ける仕事」
に該当することになります。
早速ですが、フードデリバリー市場の市場規模と、その推移をグラフで見てみましょう。
ICT総研がおこなった調査[2]ICT総研:2021年 フードデリバリーサービス利用動向調査によると、2020年の時点でフードデリバリー市場は5000億円近いことがわかります。
ユーチューバーの活躍で盛り上がっている印象がある動画広告市場は、2020年の段階で市場規模は2954億円です[3]株式会社サイバーエージェント:サイバーエージェント、2020年国内動画広告の市場調査を発表。
フードデリバリー市場は動画広告よりもかなり大きい市場だということがわかります。
フードデリバリー市場はただ大きいだけではありません。
グラフからわかるように、これからも成長を続けていくと予測されています。
なので、フードデリバリー市場は
「成長していて、これからも成長が続く産業分野(市場)で働ける仕事」
に該当すると考えられます。
ウーバーイーツの配達員の需要はこれからどうなるか?
つぎは、ウーバーイーツの配達員の仕事が
「これからも高い需要があると予測できる仕事」
これに該当するかどうかを確認しましょう。
ウーバーイーツの需要(注文数)は増えているのか?
ウーバーイーツの配達員の需要はウーバーイーツで食事を注文する人が増えれば増えるほど高くなります。
ウーバーイーツの注文数について、伸びを示すデータはたくさんあります。
これらのデータを見ると、ウーバーイーツの配達員の需要は素晴らしい勢いで伸びており、高い水準でこれからも伸びていきそうです。
食事以外にもデリバリーで扱えるモノが増えれば、配達員の需要はどんどん増えていくはずです。
なので、ウーバーイーツの配達員は
「これからも高い需要があると予測できる仕事である」
と言いたいのですが、きっぱりと言い切ることはできません。
なぜならば、将来性について考える上で心配なことがいくつかあるからです。
需要と供給のバランスとデリバリーの自動化は懸念材料
ウーバーイーツの需要が高いことを理由にしては
「配達員の仕事は将来性がある!」
とは言い切るのは難しいです。
というのも、どんな仕事でも需要と供給のバランスが重要だからです。
もし需要(注文数)があっても、供給つまり配達員の数が多すぎたらお金を稼ぎにくくなります。
この点について、配達員の数が急増しているというニュース[9]東京新聞:Uber 配達員増えすぎ苦境 コロナ禍での失業者の受け皿だったが…もあるので需要と供給のバランスは悪化しつつあるのかもしれません。
こうなると、配達員ひとりあたりの収入は減る可能性が高いです。
需給バランス以外にも、配達員の将来性を考える上で心配なことがあります。
それは、ロボットなどによる「フードデリバリーの自動化」です。
いま世界中で、人ではなく自動運転の車やロボットに食事をデリバリーさせよう、という動きが目立ってきています[10]ビジネス+IT:1年後にはいよいよ現実に。「宅配ロボット」は日本でも受け入れられるか。
自動化の動きが加速する理由はたくさんありますが、その中のひとつは「少子高齢化」です。
少子高齢化は日本をはじめとした先進国にとって大きな問題です。
少子高齢化が進むと人手不足になるからです。
人手が少ないのに、貴重な若者がフードデリバリーの仕事をするなんてもったいない。
だから、ロボット・機械にできることは彼ら・彼女たちに任せよう。
そして人は人にしかできない難しい仕事をしよう、ということですね。
日本でも、公道での自動走行ロボットを使った無人デリバリーが2021年中、つまり今年中に解禁されると言われています[11]読売新聞:【独自】自走ロボの無人配送、公道利用OK…「非対面」の宅配需要が後押し。
解禁に向けて、すでに楽天、パナソニック、ZMPなどの企業が無人デリバリー解禁に向けて実証実験を開始しています[12]ロボスタ:西友の商品を自動配送ロボットが公道を走って配達 楽天/西友/横須賀市が実施、自律搬送ロボットはパナソニック製。
もしロボットによる無人デリバリーが普及したら、人(ウーバーイーツの配達員)によるデリバリー需要はおそらく減ってしまうでしょう。
需要については常に最新の情報を確認するのがおすすめ
ここまで、データなどを確認して、フードデリバリーやウーバーイーツの配達員の需要があることはわかりました。
しかし、配達員の需要にかんする懸念材料として
- 需要と供給のバランス悪化
- デリバリーロボットによる仕事の代替
などがあります。
とはいえ
- 配達員の需給バランスがどうなるか
- デリバリーロボットが普及するか
この二つがこれからどうなるか、誰も正確に予測できません。
なので
「ウーバーイーツの配達員の需要はこれからどうなるか?」
これについては、結局のところわからない、というのが正直なところです。
けれど、自動運転やロボットなどのテクノロジーは進化し続けます。
進化にともなってコストはどんどん低下するはずです。
となると、いつか
「人の配達員よりもロボットの方が安くていいよね!」
このように感じる人が増えるようになるでしょう。
だから
「ロボットにフードデリバリーなんか絶対にできない」
と楽観的に考えるのは危険です。
需要に関しては常に最新の動向をチェックし、その情報から判断することをおすすめします。
配達員はキャリアアップができ、収入が上がるのか?
ウーバーイーツの配達員の将来性について判断するため、最後に
「働いていればキャリアアップでき、収入が上がっていく仕事なのか?」
この問題について説明します。
結論から言うと、ウーバーイーツの配達員はキャリアアップできません。
個人事業主だからキャリアアップという概念がない
ウーバーイーツの配達員は会社に所属して働く会社員やアルバイトではありません。
立場としては「個人事業主」という立場です[13]ウーバーイーツの配達員は「フリーランス」「ギグワーカー」「自由業」なんていう風に呼ばれることもあります。
。
だから、仕事においてキャリアアップという概念自体がありません。
概念がないので、ウーバーイーツの配達員として働いてもキャリアアップはできません。
いくら働いても配達員としての仕事内容は変わりませんし、仕事に対する報酬がベースアップ的に上がることもありません。
残念ですが、これはどうしようもないことです。
仕事を選ぶ上ではメリットとデメリットの両方についてしっかり考えましょう。
これから報酬(収入)が上がる可能性は低い
キャリアアップができないのは仕方がないとして、配達員の報酬、つまり収入はどうでしょうか。
残念なことですが、ウーバーイーツの配達員はどんどん報酬が上がっていく仕事ではありません。
客観的にみたら、むしろ下がる可能性のほうが高そうな仕事です。
ウーバーイーツの配達員の仕事は、そもそも報酬が上がりにくい仕事です。
なぜならば、ウーバーイーツには
などの特徴があるからです。
ようは、配達員の報酬を上げたらウーバーイーツがビジネスとして成立しにくいのです。
配達員の報酬は上がりにくいだけでなく、報酬が下げられるリスクがあります。
じっさい、確認できているだけでも過去に2回の報酬引き下げがありました。
それでも、ウーバーイーツの配達員は従業員ではないので、運営側が決めたことに従うしかありません。
お金を稼ぐには、ウーバーイーツの指示に従い、1回づつ配達を繰り返すしかないのです。
アカウント停止や日本から徹底するなどのリスクもある
ここまでの内容で、ウーバーイーツの配達員にはキャリアアップや報酬アップが難しいことがわかったと思います。
ウーバーイーツの配達員には、他にも
- 交通事故やトラブルによってアカウント停止(クビ)になることもある
- 市場のシェアが下がればウーバーイーツが日本から撤退することもありえる
などのリスクもあります。
なので、日本の労働基準法によって守られる会社員とは全く異なる働き方であることを知らないと大変なことになります。
日本の会社員のような、年功序列制的なキャリアアップや収入増加は期待できないことを知っておきましょう。
ウーバーイーツの配達員は将来性がある仕事なのか?
ここまで、ウーバーイーツの配達員の仕事が
これらに該当するかどうか確認してきました。
ここまでの内容から総合的に考えて、ウーバーイーツの配達員の仕事は将来性がある仕事と言えるでしょうか?
人によって考え方は違うのでしょうが、個人的には
- 誰でも配達員になれるから需給バランスが悪化しやすい
- 仕事内容はずっと変わらず、報酬が上がりにくいのに下がりやすい
- 将来的には自動化が進み、ロボット等に仕事を奪われる
などの理由から
「ウーバーイーツの配達員の将来性は高くない」
と考えています。
それに
「ウーバーイーツの配達員の背中のバッグにナンバープレートをつけて(配達員が)誰なのか特定できるようにしよう」
このような声が行政側であがりはじめています[14]ニッポンドットコム:自転車宅配フードデリバリーの配達バッグにナンバー?相次ぐ迷惑走行・接触事故を通報しやすく。
世間からの視線も厳しくなりつつあるようですし
「ほぼ確実にお金が稼げるから専業の配達員として働こう!」
こんな風に短絡的に考えて決断するのはおすすめできません。
それでも、ウーバーイーツの配達員の仕事は
- 今のところほぼ確実にお金を稼げる仕事
- 18歳以上なら男女関係なく仕事ができる
- 初期費用があまりかからない[15]自転車などの輸送手段があればお金はほとんどかかりません。
などの理由から、仕事としては優れています。
だから、短期に集中してお金を稼いだり、副業として隙間時間をつかって取り組む、というスタンスがおすすめです。
ウーバーイーツの配達員として働いている人は将来に備えて何を学べばいい?
ウーバーイーツの配達員は
「短い期間だけ!」
と割り切ったり、副業として取り組むのがおすすめですが、人には色々な事情があります。
生活のために仕方なく配達員の仕事をしている人もいるでしょう。
では、配達員の仕事を辞めて他の仕事を探すためには何をしたらいいのでしょうか。
おすすめなのは
- はじめに、これから需要が高くなるスキルを学ぶ
- つぎに、これから需要が伸びる職業に就職・転職する
というステップです。
「将来性がある仕事」の定義としてあげた
この3つの項目に該当するような仕事ができるよう新しいスキル学ぶ、ということですね。
世界最大規模の転職SNSを運営しているマイクロソフトは
「2025年までに、世界中でテクノロジー系の新しい雇用が1億4900万人分生まれる」
と発表しています[16]Microsoft:Microsoft launches next stage of skills initiative after helping 30 million people。
具体的には
などの仕事で膨大な量の新しい仕事の需要が生まれる、とマイクロソフトは予測しています。
だから、もし新しく何かを学ぶなら
- プログラミング
- データ分析
などのような、テクノロジー系のスキルがおすすめです。
新しいスキルを学ぶのは大変です。
しかし、私たちが生きていくためには新しいスキルを学ぶしかありません。
同じくマイクロソフトの発表によると、単純作業の仕事は世界中でどんどん減っています。
AI(人工知能)やロボットなどの新しいテクノロジーに仕事を奪われているのですね。
それに、人間社会において常にテクノロジーは人の仕事を奪ってきました。
だから、どんどん新しいスキルや概念を身につけ、テクノロジーに奪われにくい仕事をするべきなのです。
テクノロジー系のスキルを学ぶ方法は
- (本・WEBサイト・動画などをつかった)独学
- プログラミングスクール
など、たくさん方法があります。
自分の環境やモチベーションに合った方法を選び、どんどん新しいことを学んでください。
引用・脚注
↑1, ↑9 | 東京新聞:Uber 配達員増えすぎ苦境 コロナ禍での失業者の受け皿だったが… |
---|---|
↑2 | ICT総研:2021年 フードデリバリーサービス利用動向調査 |
↑3 | 株式会社サイバーエージェント:サイバーエージェント、2020年国内動画広告の市場調査を発表 |
↑4 | 日経新聞:ウーバーイーツ日本代表 「二兎追うものは三兎を得る」 |
↑5 | ダイヤモンド・チェーンストア:フードデリバリーの枠を超える!ウーバーイーツがスーパー、コンビニの配送をする理由を事業責任者に聞く |
↑6 | 官報決算データベース:Uber Japan株式会社 第8期決算公告 |
↑7 | ダイヤモンド・チェーンストア:ローソン、ウーバーイーツでOTC医薬品を配達、福岡の2店舗で |
↑8 | Impress Watch:酒屋「カクヤス」、Uber Eats導入。デリバリー需要増で |
↑10 | ビジネス+IT:1年後にはいよいよ現実に。「宅配ロボット」は日本でも受け入れられるか |
↑11 | 読売新聞:【独自】自走ロボの無人配送、公道利用OK…「非対面」の宅配需要が後押し |
↑12 | ロボスタ:西友の商品を自動配送ロボットが公道を走って配達 楽天/西友/横須賀市が実施、自律搬送ロボットはパナソニック製 |
↑13 | ウーバーイーツの配達員は「フリーランス」「ギグワーカー」「自由業」なんていう風に呼ばれることもあります。 |
↑14 | ニッポンドットコム:自転車宅配フードデリバリーの配達バッグにナンバー?相次ぐ迷惑走行・接触事故を通報しやすく |
↑15 | 自転車などの輸送手段があればお金はほとんどかかりません。 |
↑16 | Microsoft:Microsoft launches next stage of skills initiative after helping 30 million people |
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