ウーバーイーツの配達員には「報酬引き下げのリスク」があるので専業は危険

ウーバーイーツは若い男性に人気の仕事です。
自由に働くことができ、働けばほぼ確実にお金が稼げるウーバーイーツの仕事は確かに魅力的です。
しかし、様々なリスクがあるのも事実です。

色々な種類のリスクがあるのですが、もっとも知っておいて欲しいリスクは
「配達員の報酬引き下げ」
です。
報酬の減少が、そのまま配達員の収入減少につながるからです。

この記事では

  • 過去に起きた配達員の報酬引き下げ事例
  • これから報酬が上がる可能性について

などを説明します。

過去に起きた配達員の報酬引き下げ事例

まずは過去に起きた配達員の報酬引き下げ事例についてです。

ウーバーイーツの配達員の報酬(収入)は歩合制です。
レストランなどで食事を受け取り、それをデリバリーする回数が増えれば増えるほど収入も増えていく仕組みです。
なので、収入を増やすためには食事を何回も配達しなくてはなりません。

けれど

新宿や池袋を中心にバイクで配達する土屋氏は「8月までは時給にして1500~2000円は稼げたが、最近は1500円に達しない」。ガソリン代を考えれば「最低賃金(東京都は1013円)を下回る」と嘆く。

引用元:Uber 配達員増えすぎ苦境 コロナ禍での失業者の受け皿だったが…

このような発言があるように、一回の配達によって受け取れる金額は減少傾向にあります。

2016年9月にウーバーイーツが日本でサービスを開始してから、確認できるだけでも2回の報酬引き下げが実施されています。
具体的には

  • 2019年11月末
  • 2021年3月〜5月

これらのタイミングで報酬引き下げがおこなわれています。
5年弱の期間で2回ですから、なかなかの頻度です。

しかも、2021年3月から起きている報酬引き下げでは
「報酬総額は平均で3割下がった」
という報道もあります[1]東スポWEB:ウーバーイーツ報酬総額3割下げ チップ機能はあるが…配達員の胸の
こんなに下がったら、配達員の収入が大きく減ってしまいます。

ウーバーイーツの配達員による労働組合「ウーバーイーツユニオン」の執行委員長をつとめる土屋俊明さんは、以下のようなコメントをしています。

フードデリバリーサービスの開始当初は鼻先にニンジンをぶら下げるように配達報酬を比較的高く設定するが、その後少しずつ下げて最後はニンジンがなくなり、紐だけになっても気づかずに走らされているというのが世界的に見られる現象だ。

引用元:「ニンジンなしで走らされる」日本のウーバーイーツで報酬引き下げの知られざる背景

どうやら、このような報酬引き下げは日本だけでなく世界中のウーバーイーツで起きているようですね。
ウーバーイーツはアメリカの上場企業「ウーバー・テクノロジーズ」のサービスです。
なので、日本の企業とは感覚がすこし違うのかもしれません。

サイト管理人 南研吾
サイト管理人 南研吾
ちなみに、日本のウーバーイーツはUber Japan株式会社という、ウーバー・テクノロジーズの日本法人によって運営されています。

これから配達員の報酬が上がることはあるのか?

つぎは配達員の報酬アップの可能性についてです。
2度にわたって引き下げられた配達員の報酬が、これから上がることはあるのでしょうか?

個人的には、上がる確率はかなり低いと考えています。

なぜならば、配達員の報酬を引き上げるとそのままウーバーイーツの運営会社の利益が減るからです。
外資系の上場企業が、自分たちの利益を削ってまで少子高齢化による人口減少が進む日本で事業を継続したがるとは思えません。

ウーバーイーツの場合、事業が上手く行かないと判断したら、日本から撤退するということもあります。
すでに他の国では撤退した事例があります[2]Tech Crunch:Uber Eatsがチェコ、エジプトなど7カ国から撤退、成長が見込めるマーケットに注力
なので日本の市場にこだわるとは思えません。
報酬を下げてもサービスを継続できるなら報酬を上げることはないと思います。

それに、報酬を下げても配達員の数が足りているなら報酬を上げる必要がありません。
推測でしかありませんが、おそらく配達員の報酬額は人工知能やビッグデータをつかって決定しています。
分析した結果、報酬を値下げしても配達員の数は減らないし人数が足りなくなる事も無い、という結論が出たのでしょう。

そもそも、ウーバーイーツのドライバーはそれほど参入障壁や難易度が高い仕事ではありません。
18歳以上ならほぼ誰でもできる仕事です。
都市部に住んでいる日本人の1割以上がフードデリバリーで働いたことがある、というアンケート結果もあるくらいメジャーな仕事でもあります。[3] … Continue reading

報酬を引き下げても配達員が集まるなら、ウーバーイーツ側としては報酬を引き下げたままにしたいはずです。
じっさい、配達員の人手不足という話はほとんど聞きません。

東京新聞に2020年11月に掲載された
Uber 配達員増えすぎ苦境 コロナ禍での失業者の受け皿だったが…
こちらの記事で、調査会社エヌピーディー・ジャパンの東さやかさんは

働き手が次々集まる現状では、待遇改善は期待できない

引用元:Uber 配達員増えすぎ苦境 コロナ禍での失業者の受け皿だったが…

と語っています。
少なくとも、今のところはウーバーイーツの配達員になりたい人がたくさんいるようです。

なので、これから配達員の報酬が上がるのはあまり期待できません。

専業でウーバーイーツの配達員になるのはおすすめできない

ここまで説明したように、ウーバーイーツの配達員には
「報酬引き下げ」
という大きなリスクがあります。

いつどのようなタイミングで報酬引き下げが起きるのか。
これは配達員にはわかりません。
だから、「専業」つまりウーバーイーツの配達員として得た収入だけで生活していくのはおすすめしません。
たとえば、ウーバーイーツの配達員として専業で働きはじめたその日、いきなり報酬引き下げに遭う。
こんなことも起こり得るからです。
一言でいえば、何も考えずに専業の配達員になることはとても危険です。

もし専業で働くとしても、必ず

  • ウーバーイーツの配達員以外にも副業をして収入を得ておく
  • 就職しやすいようにスキルを身についておく

などの方法でリスクを減らしておきましょう。
でないと、いきなり報酬引き下げに遭い、生活が成り立たなくなる恐れがあります。

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