これから、世界中に
「eVTOL(イーブイトール)のパイロット」
という新しい職業が誕生すると予測されています。
では、eVTOLのパイロットにはどれくらいの需要があるのでしょうか?
この記事では、eVTOLのパイロットの仕事の需要や将来性を解説します。
eVTOLのパイロットという、未来の新しい職業に興味がある方はぜひ読んでください。
2021年現在のeVTOLパイロットの需要はほぼ無い
eVTOLパイロットの現在(2021年)の需要について説明すると、残念ですが
「ほぼゼロ」
このようになります。
パイロットを乗せたeVTOLのテスト飛行が行われたり[1]日経クロステック:国産「空飛ぶクルマ」新型機が目の前で飛んだ、39億円追加調達も、eVTOLのレースが企画されているのですが[2]CNET Japan:eVTOLのレース、年内に開催へ、実用化・商業化はまだされていません。
なので、eVTOLパイロットとしていま現在働いている人は世界をみてもほとんどいないはずです。
求人ボックスやindeedなどの求人情報サイトをつかい
「eVTOL」
と検索してもパイロットの求人はありません。
eVTOL絡みで見つかるのは、今のところエンジニアやビジネス実務系の仕事が多いです[3]求人ボックス:求人ボックス。
2026年には世界で60,000人のパイロットが必要になる
つぎは将来の需要がどうなるのかを説明します。
eVTOLパイロットの需要については、世界的なコンサル会社であるマッキンゼーが調査・予測しています。
マッキンゼーの調査では、2018年のeVTOLのパイロットの需要はゼロとなっています。
やはりまだ需要が無いのですね。
でも、これが2028年になると
60,000人
に増加すると予測しています。
このなかで、日本人のeVTOLパイロットがどれくらいのシェアを占めるかはわかりません。
けれど
- 2013年の日本のパイロットの人数(5,686人)
- 2018年の世界中のパイロットの人数(約305,000人)
この二つの数字を使い、世界中のパイロットの中の日本人比率を計算すると1.8%となります。
そして、この数字(1.8%)をマッキンゼーの予測に当てこむと
1080人(60,000人の中の1.8%)
となります。
なので、日本のeVTOLパイロットに関してはこれくらいの人数の需要が生まれるかもしれません。
もちろん、じっさいの需要はこんなに簡単な計算では予測できません。
あくまでも参考数値として、この数字を捉えてください。
将来的にはパイロットが無人化・自動化するリスクがある
ここまでで、どうやら日本でもeVTOLパイロットの需要がありそうだな、ということがわかったと思います。
でも
「飛行機のパイロットみたいにeVTOLのパイロットとして一生働くんだ!」
と考えるのはすこし危険です。
というのも他の仕事と同じく、eVTOLのパイロットも自動化リスクにさらされているからです。
たくさんの会社がeVTOLを開発していますが、その多くは自動化ありきで開発されています。
それに、eVTOLは高価な機体です(機体の購入には数千万円はかかります)。
だから、eVTOLをタクシーのようにみんなに使ってもらうには、パイロットの人件費の削減が必要になります。
よって
- 法律的な問題
- 安全性の問題
などの問題が解決されたら、eVTOLが自律飛行し、パイロット無しで目的地まで到着するようになる可能性があります。
となると、eVTOLのパイロットの需要は激減します。
もちろん、将来どんな風にeVTOLが使われるかは現在のところわかりません。
ずっとパイロット有りの有人飛行しかできない可能性だってあります。
それでも、eVTOLのパイロットになりたいと思っているなら、自動化のリスクがあることは知っておくべきだと思います。
引用・脚注
↑1 | 日経クロステック:国産「空飛ぶクルマ」新型機が目の前で飛んだ、39億円追加調達も |
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↑2 | CNET Japan:eVTOLのレース、年内に開催へ |
↑3 | 求人ボックス:求人ボックス |
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