観光業界で働く人にとって朗報です。
あのAmazonが「Amazon Explore(エクスプローラー)」というサービスを立ち上げ、オンラインの旅行体験
「バーチャル旅行」
に参入します。
つまり、世界全体で数億人以上いるであろうAmazon会員がオンラインとはいえ日本へ旅行できるようになるのです。

Amazon Exploreで観光客に旅行体験を提供するのは「ホスト」と呼ばれる人達です。
もしあなたがAmazon Exploreのホストになれたら、世界中の人にあなたの地元にある優れたモノ・コト(体験)を販売できます。
新型コロナの早期収束が期待できないいま、Amazon Exploreは希望の光です。
この記事ではAmazon Exploreについて
- どんなサービスか
- ホストはどんな仕事で何ができるのか
- ホストになるには?ホストになれる人の傾向
などを説明します。
Amazon Exploreとは?
ホストについて説明する前に、まずはAmazon Exploreがどんなサービスかを説明します。
つまり利用する側からみたAmazon Exploreというサービスがどんな風になっているか、です。
もしあなたがAmazon Exploreのホストになるなら、サービスを利用する人はあなたの「お客さん」です。
だからサービスそのものについてはホストも知っておくべき知識ですので、ぜひ読んでください。

「体験」を売るサービス
Amazon Exploreは2020年の9月29日に発表された、Amazon会員がオンライン旅行ができるサービスです。
・Amazon Explore公式サイト
https://www.amazon.com/explore

Amazonは本をはじめとして、さまざまな「モノ」をネットで買えるようにして成長した会社です。
そんなAmazonがモノだけでなく「コト(体験)」も売るようになった、ということですね。
日本にあるサービスで、Amazon Exploreと似たようなサービスとしては
などがあります。
これらのサービスを使ったり、ホストになったことがある人はサービス内容をイメージしやすいと思います。
ちなみに「体験」を購入できるのは18歳以上です。
18歳になっていない人がAmazon Exploreを使いたい場合は保護者の同伴が必要です。
どんな風にオンライン旅行ができるの?
Amazon Exploreではオンライン旅行という「体験」を買うことができます。
では、どんな風にオンライン旅行ができるのでしょうか。
答えを言ってしまうと、Amazon Exploreでは「パソコン」と「インターネット」をつかって旅行ができます。
「PlayStation VR」や「Oculus」のような、VRをつかって旅行する訳ではないのです。
もう少しシンプルで、パソコンとインターネットがあれば誰でもできるオンライン旅行です。

新型コロナによって、人と会わずに仕事ができるよう様々なテクノロジーが急に社会に導入されました。
そのなかの一つのネットをつかってビデオ通話ができるZOOM(ズーム)があります。
ZOOMを使ったことはありますか?
もしZOOMを使った経験があるならイメージしやすいのですが、あのZOOMのような動画がAmazonのサイト内で再生される感じです。
もちろんリアルタイムで再生されているので、ホストとお客さんは時間差なくコミュニケーションができます。
かりにAmazon Exploreでオンライン旅行を購入・体験する人を「ゲスト」とします。
オンライン旅行を企画・開催する人は「ホスト」でしたね。
ゲストはパソコンから旅行に参加し、そのパソコンにはホストの動画がうつり、ホストの声も聞こえます。
ゲストからはホストの顔や体がうつる動画が見え、声も聞こえます。
しかし、ホストはゲストの動画は見えないようになっています。
ホストはゲストの声を聞きながら体験を進めることになります。
こんな風に、ゲストはパソコンでホストの動画と音声を聞き、コミュニケーションをとりながらオンライン旅行をします。
どんなオンライン旅行(体験)を買えるのか?
ここまででAmazon Exploreのざっくりとしたサービス内容がわかったと思います。
次は、じゃあAmazon Exploreでどんな体験(オンライン旅行)ができるかを説明します。
Amazon Exploreの体験はカテゴリで分けられていますので、どんなカテゴリがあるかを見てみましょう。
いまのところ、三つのカテゴリが用意されています。
- Learning&Creativity(学習・創造性)
- Local Shopping(地元の商店)
- Culture&Landmarks(文化・建物)
このよう分けられていますが、わかりやすくすると以下のような感じです。
- 料理教室やダンス教室などのカルチャースクールで開催されるようなもの
- 観光地での街歩きや買い物
- 文化的な遺産や建造物のオンラインツアー
体験はカテゴリ別だけでなく、国などの地域別でも分けられています。
「Asia」
というカテゴリをみれば、日本で開催されている体験もチェックできます。
日本で開催されている体験の例を挙げると
- 東京のバーで日本酒を学ぶ
- 京都の東山を散策
- 寿司と味噌汁の料理教室
などがAmazon Exploreで販売されています。
やはり外国人観光客を意識した、その国でないと経験できない独自の体験が多くなりそうですね。
体験しながらAmazonでモノも買える
「Amazonならではだなぁ」
と思うのは、Amazon Exploreでは体験しながらモノが買える点です。

たとえば、問屋街として有名な東京の浅草橋がありますよね。
そこでホストが外国人観光客に浅草橋を案内する体験をAmazon Exploreで提供したとします。
体験が外国の人に売れて、いざホストがゲストを案内しているときにゲストがパソコン画面越しに
「この大きな銀の鍋が欲しい!」
と言ったら、その鍋をホストが販売することができるのです。
販売はAmazonの販売・決済システムを通して行われます。
ホストとゲストが直接お金のやりとりをすることはありません。
このような方法であれば、街を歩きならライブコマースのように商品を説明して販売することもできそうですね。

ひとつの体験の時間や料金はどんな感じ?
Amazon Exploreのサービス自体の説明の最後として
- 体験の時間
- 体験の料金
について説明します。
まずは時間についてです。
1回の体験は35〜60分の間でしか設定できないようになっています。
とはいえ35分でお客さんが満足できる体験を用意するのが難しいせいか、だいたいが45〜60分の範囲内で体験を販売しています。
次は料金についてです。
料金についてはかなりバラツキがあります。
だいたい十ドルから200ドルくらいです。
いまは1ドル110円前後なので安くて1,100円、高くても22,000円くらいですね。
バラツキがあるのもある意味当然です。
日本でおこなわれるイベントでも
- 料理教室
- 陶芸教室
- ガイドツアー
などでは、それぞれ料金が違いますよね?
やはり準備するモノやスペースがあるようなイベントほど、料金が高くなる傾向があります。
Amazon Exploreのホストはどんな仕事で何ができるのか
ここまででAmazon Exploreのサービス自体の説明は終わりです。
ここからは、Amazon Exploreのホストについて
- どんな仕事なのか
- どんな事ができるのか
- どんなメリットがあるのか
などを説明します。
とはいえAmazon Exploreのサービス内容を読んでくれた方には、なんとなくイメージができてるかもしれませんね。
Amazon Exploreのホストという仕事について、すでにわかっていることを説明していきます。
「体験ガイド」としてスキル・知識を売る仕事
Amazon Exploreのホストはどんな仕事なのか?
これを一言で表すと
「体験のガイドとして自分のスキル・知識を売る仕事」
このようになると思います。
つまり、ホストが持っているスキル(能力)や知識をお客さんに売る仕事なのです。
さいきん流行りの言い方になおすと「スキルシェア」とも言えます。
ただ、Amazon Exploreには普通のスキルシェアとは違う点があります。
それは利用者のほとんどが外国人という点です。
だから日本国内で日本人から人気があるようなスキルを世界に売るのは難しいです。
たとえば、日本に住む日本人の講師による
- 英会話教室
- イタリア料理教室
- ワインのテイスティング
などです。
このようなスキル・体験に興味を持つ外国人は少ないです。
かつて日本を訪れていたたくさんの外国人観光客をイメージしてください。
日本を観光しながら英会話教室に行ったりイタリア料理教室に行く人はいませんよね?
わざわざ飛行機に乗って日本にきて、どこの国でも経験できるようなことはしません。
外国人観光客はその国でないと経験できない独自の体験をしたいのです。
だから日本人がAmazon Exploreのホストになるのなら
- 日本語教室
- 日本料理教室
- 日本酒のテイスティング
- 日本人しか知らないような寺社仏閣のツアー
などの方が良いです。
やはり、そのホストがいる「地域」と関連性が強い体験の方が世界からウケるはずです。
もしAmazon Exploreのホストになってお金を稼ぎたいなら
- 他の人が持っていない自分(とその地域)の強み
- 外国人観光客は何を求めて日本の体験を探しているのか
などを意識するべきなのです。
つまり
「世界から見た日本」
を意識しないと、自分のスキル・知識を外国人観光客に売るのは難しいです。

自分のスキル・知識に関連するモノも売れる
Amazon Exploreのホストの仕事は「体験のガイドとして自分のスキル・知識を売る仕事」です。
けれど売れるのはスキル・知識だけではありません。
自分のスキル・知識に関連するモノ(商品)も世界最大の通販サイト「Amazon」を通して販売できます。
簡単に言うと、デジタル空間でAmazonのアフィリエイトプログラム「Amazonアソシエイト」ができるのです。
たとえば、あなたがAmazon Exploreの日本食の料理教室を開いたとします。
その料理教室に日本食に興味があるイギリス人女性が参加してくれました。
そして料理教室の日、あなたが料理を教えていると女性がとても興味深そうに
「そのお皿はどこで売っているの?イギリスでは見ないお皿だから欲しいわ。」
と言いました。
これに対してあなたは
「Amazonで20ドルで買えますよ」
と答えます。
すると、料理教室の最中にイギリス人女性はそのお皿をAmazonから注文してくれました。
こんな風に自然にモノを売ることができます。

モノを売るときはAmazonの決済システムをつかいます。
だからゲストはホストがお金をやりとりすることはありません。
このような第三者が仲介する仕組みの方がトラブルが減り、売り手も買い手もハッピーだと思います。
他にどんなメリットがあるのか
コト(体験)が売れる、モノが売れる以外にもAmazon Exploreのホストになるメリットはあります。
二つほど、その他のメリットを紹介します。
まずメリットとして大きいは「Amazonの中で営業活動ができる」という点です。
Amazonは世界ナンバーワンの通販サイトです。
通販サイトだけでなく、世界全部のウェブサイトの中でもトップ10に入るアクセスの多いサイトなのです[1]Similar Webをつかった調査。アダルトサイトを除外したランキングです。。
ということは、利用者の数が日本人しか使わないサービスとはまさに桁違いに多いです。
しかも、世界中の人が使っているので会員の嗜好に多様性もあります。
このような市場で魅力的な体験を販売すれば、世界中から
「体験を買いたい」
という人が殺到することもあるでしょう。
Amazonを使えば世界中の人に自分の知識や経験を売れるのです。
二つめのメリットは時間についてです。
もし日本を訪れる外国人観光客を相手にしてツアーガイドをしたら、1日で案内できるのはせいぜい三組です。
移動や休憩などもあるので、午前に一組、午後に二組をこなすのがやっとでしょう。
ですがAmazon Exploreなら1回の体験は最長でも60分です。
だから一日のうちに三組以上のツアーガイドをこなすこともできます。
ここまで説明したように、Amazon Exploreには様々なメリットがあります。
もし外国人観光客を相手に仕事をしていた人なら、誰でも興味を持つ仕事だと思います。
では、どうやったらAmazon Exploreのホストになれるのでしょうか。
これを次に説明します。
ホストになるには?ホストになれる人の傾向【2020年10月2日更新】
Amazon Exploreのホストになる方法を説明したいのですが、残念ながらホストになる方法はAmazonから明かされていません。
ですが2020年10月2日の段階で、すでにホストになっている人が数十人(法人なども含む)います。
その中には日本人らしき人たちもいます。
Tech Crunchというニュースサイトによると
ホストはアマゾンが支援する地元の専門家だという。
このようにあります。
なぜ先に挙げた人たちはAmazonから支援されたのでしょうか。
共通点や傾向などがわかれば、今のうちから何か対策ができるかもしれません。
ホストになった日本人の共通点や傾向
ホストに選ばれた人たちの共通点や傾向を探し、どのような人ならAmazon Exploreのホストになれるかを推測します。
調べたところ、以下のような共通点がありました。
- 英語での対応ができる
- 英語に対応したホームページを持っている
- 訪日外国人向けが喜びそうな、日本ならでの体験を提供している
- facebookなどのSNSで外国人向けの情報を発信している
- TripAdvisorに登録されており、数百件かそれ以上の(高評価の)レビューが投稿されている
まとめると
- 外国人に対してきちんと対応できる
- 外国人観光客が喜ぶ体験を用意している
- 外国人観光客をおもてなしした実績があり、しかも口コミサイトなどで高く評価されている
このような感じになります。
もしこれらの基準を満たしていないと、Amazon Exploreのホストになるのは難しいかもしれませんね。
Amazon Exploreのホストになりピンチをチャンスに変える
残念ですが、向こう数年間は以前のようには外国人観光客が日本にこないかもしれません。
ですが、何もしないという訳にはいきません。
やれることをやるしかありません。
やれることの中には「Amazon Explore」のようなオンライン旅行サービスを活用する手もあります。
ベータ版ということもあり、まだ誰でもAmazon Exploreのホストになれるような状況ではありません。
それでも
Amazon Exploreのホスト申し込みページ
から申し込みはできます。
英語ではありますが、いまのうちから申し込んでおいて損をすることはありません。
今できることをして、なんとかこのピンチをしのぎましょう。
もしコロナ禍をしのぐことができたら、新しい道が開けるかもしれません。
引用・脚注
↑1 | Similar Webをつかった調査。アダルトサイトを除外したランキングです。 |
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