日本でフードデリバリーといえば「ウーバーイーツ」です。
日本市場では
フードデリバリー≒ウーバーイーツ
というくらい知名度は高く、フードデリバリー市場におけるシェアもトップクラスです。
そんな絶好調のウーバーイーツですが、じつは日本以外のたくさんの国で事業を撤退しています。
この記事では
「ウーバーイーツが日本から撤退することはありえるのか?」
この問題について説明します。
「専業でウーバーイーツの配達員をやろうかな・・・」
こんな悩みを持っている人はぜひ記事を読んでください。
ウーバーイーツの海外における撤退事例
まずはじめに、ウーバーイーツが事業撤退した事例がどれくらいあるのかを紹介します。
ウーバーイーツが参入して、そして撤退した国をまとめると以下のようになります。
- 中国[1]日経XTECH:窮地に立つ米ウーバー、料理宅配で「消耗」を重ね主力サービスにも暗雲
- 韓国[2]日経XTECH:窮地に立つ米ウーバー、料理宅配で「消耗」を重ね主力サービスにも暗雲
- 東南アジア[3]日経XTECH:窮地に立つ米ウーバー、料理宅配で「消耗」を重ね主力サービスにも暗雲
- インド[4]The Daily Star:Uber Eats closing down in Bangladesh
- バングラディシュ[5]The Daily Star:Uber Eats closing down in Bangladesh
- エジプト[6]Tech Crunch:Uber Eatsがチェコ、エジプトなど7カ国から撤退、成長が見込めるマーケットに注力
- サウジアラビア[7]Tech Crunch:Uber Eatsがチェコ、エジプトなど7カ国から撤退、成長が見込めるマーケットに注力
- チェコ[8]Tech Crunch:Uber Eatsがチェコ、エジプトなど7カ国から撤退、成長が見込めるマーケットに注力
- ルーマニア[9]Tech Crunch:Uber Eatsがチェコ、エジプトなど7カ国から撤退、成長が見込めるマーケットに注力
- ウクライナ[10]Tech Crunch:Uber Eatsがチェコ、エジプトなど7カ国から撤退、成長が見込めるマーケットに注力
- ホンジュラス[11]Tech Crunch:Uber Eatsがチェコ、エジプトなど7カ国から撤退、成長が見込めるマーケットに注力
- ウルグアイ[12]Tech Crunch:Uber Eatsがチェコ、エジプトなど7カ国から撤退、成長が見込めるマーケットに注力
- コロンビア[13]日経XTECH:窮地に立つ米ウーバー、料理宅配で「消耗」を重ね主力サービスにも暗雲
たくさんの国に進出しているせいか、国の大小や地域に関係なく様々な国で撤退していることがわかります。

なので、じっさいはもっとたくさんの国で撤退している可能性があります。
ウーバーイーツはなぜ撤退するのか?
つぎは、ウーバーイーツがこれだけの国で撤退した理由について説明します。
「すべての都市で1位か2位を目指す」ことがウーバーイーツの目標
ウーバーイーツが世界各国で撤退した理由はとてもシンプルです。
理由は
「その国のナンバー1、もしくはナンバー2のフードデリバリーサービスになれなかったから」
です。
ウーバーイーツはアメリカのウーバーテクノロジーズという会社によって運営されているサービスです。
※日本のウーバーイーツはUber Japan株式会社によって運営されています
ウーバーテクノロジーズの現在のCEO、つまり経営陣のトップはダラ・コスロシャヒ氏です。
ダラ・コスロシャヒ氏は以下のような方針を示しています。
19年11月、同氏はフードデリバリー事業で、すべての都市で1位か2位を目指すとの目標を掲げ、2位以内に入れない市場からは撤退するか売却を検討する方針を示した。
「すべての都市で1位か2位を目指す」
とありますが、これはとても難しい目標です。
なぜならば、フードデリバリー市場を狙う競合企業はたくさんいるからです。
フードデリバリー市場を狙う競合企業は多い
ウーバーイーツにはたくさんの競合がいて、日本市場だけでも
などの企業がフードデリバリー市場に参入しています。
世界に目を向けると、さらにたくさんの競合企業がいます。
有名どころだと
などのサービスがあります。
これらの企業も虎視眈々と日本市場を狙っています。
つまり世界中どこの国でも、フードデリバリー市場は
「レッドオーシャン(たくさんの競合がいる競争が激しい市場)」
なのです。
だから、日本のウーバーイーツも油断はできません。
日本市場のシェアを取ったと思ったら、そのあとすぐ海外の競合企業にシェアを奪われる、なんてことも起こりえるからです。

なぜウーバーイーツはシェア1位・2位にこだわるのか?
こんなにも厳しいフードデリバリー市場で、なぜウーバーイーツはシェア1位か2位にこだわるのでしょうか?
答えはとてもシンプルです。
「1位か2位じゃないと儲からないから」
です。
ウーバーイーツが参入しているフードデリバリー事業は薄利多売のビジネスです。
ウーバーイーツのビジネスモデルを図解にしてみました。
簡単に言えば、ウーバーイーツは仲介手数料で儲けを出すビジネスモデルなのです。
仲介手数料の金額はそれほど高くありません。
だから1回1回の注文による儲けは少ないです。
それなのに、競合サービスに負けないために
- 注文する人を増やすためにクーポンを発行したり広告を出す
- 配達員を増やすために募集広告を出す
などに広告宣伝費を使う必要があります。
これらがかなりの出費になり、事業の利益率はどんどん低くなってしまいます。
利益率が低い場合、市場でシェアを取らないと会社は儲かりにくいです。
だから、ウーバーイーツは市場シェアトップクラスにこだわるのです。

だから、ウーバーイーツだけでなく世界中のフードデリバリービジネスに取り組む会社は、すべて利益率は低めだと思います。
ウーバーイーツが日本から撤退する確率はどれくらいなのか?
ウーバーイーツがその国から事業撤退するのは
「その国のナンバー1、もしくはナンバー2のフードデリバリーサービスになれないとき」
です。
では、日本でウーバーイーツのシェアはどれくらいなのでしょうか。
Googleで検索される回数が多いのはどのサービス?
フードデリバリーの場合、注文するお客さんの数が多ければ多いほどシェアが高くなります。
なので、Googleでのサービス名の検索回数がシェアを予測するのに役立ちます。
下のグラフはGoogleで
- ウーバーイーツ
- ubereats
- 出前館
- menu
- Wolt
などの言葉が検索された回数を示しています。
青い線が「ウーバーイーツ」、黄色い線が「出前館」の検索回数です。
このデータを見ると、ウーバーイーツと出前館の2社がかなり高いシェアをとっているのではないか?と推測できます。

2020年7月3日からはじまった、ダウンタウン浜田雅功さんを起用した出前館のCMも知名度向上に効果が出ていることもわかります。
アプリの利用者が多いのはどのサービス?
まずはどのサービスが検索回数が多いのかがわかりました。
つぎは、利用者が多いアプリを調べましょう。
日経新聞によると、フードデリバリーアプリの利用者は以下のようになっています。
メニューは2018年設立の新興企業。データ分析のヴァリューズ(東京・港)によると、21年4月のアプリ利用者数は97万8千人で、ウーバーイーツ(456万人)と出前館(355万人)に次ぐ3位だ。国内では6万店が加盟している。
データを整理すると、2021年4月時点のフードデリバリーアプリで利用者が多いのは
- ウーバーイーツ→456万人
- 出前館→355万人
- menu→97万8000人
このようになります。
2位と3位ではかなり差があることがわかります。
ウーバーイーツがシェア1位か2位なのは間違いない
ここまで紹介した
- Googleの検索回数データ
- アプリの利用者数データ
などのデータから判断すると、ウーバーイーツがシェア1位か2位なのは間違いなさそうです。
ウーバーイーツがその国から事業撤退するのは
「その国のナンバー1、もしくはナンバー2のフードデリバリーサービスになれないとき」
です。
ということは、ウーバーイーツが日本から撤退する確率はゼロではないと思いますが
「かなり低い」
ということになります。
なので、2021年にいきなり日本から撤退するなどの事態が起きる確率は極めて低いでしょう。
日本から徹底する確率は低いけど収入を分散させることは大事
ここまで説明したように、ウーバーイーツが日本から徹底する確率はかなり低いです。
それでも、徹底する確率が0%な訳ではありません。
なのでウーバーイーツからの収入だけに依存するのはすこし危険です。
もし配達員として仕事を続けるなら、他のフードデリバリーサービスと掛け持ち登録して収入源を増やすことをおすすめします。
そして、どのサービスでも配達員として高い評価をもらっておけば、何か起きたときに役立つはずです。
下のリンク先の記事では
- ウーバーイーツと掛け持ち可能なフードデリバリーサービス
- ウーバーイーツみたいな自由に働ける仕事
などを紹介しています。
リスクを分散させたい方の役に立つと思うので、ウーバーイーツの日本撤退が気になる方はチェックしてください。
引用・脚注
↑1, ↑2, ↑3, ↑13 | 日経XTECH:窮地に立つ米ウーバー、料理宅配で「消耗」を重ね主力サービスにも暗雲 |
---|---|
↑4, ↑5 | The Daily Star:Uber Eats closing down in Bangladesh |
↑6, ↑7, ↑8, ↑9, ↑10, ↑11, ↑12 | Tech Crunch:Uber Eatsがチェコ、エジプトなど7カ国から撤退、成長が見込めるマーケットに注力 |
↑14 | 日経新聞:米料理宅配最大手、ドアダッシュ、日本参入、地方で競争激化、出前館は全国展開。 |
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