ウーバーイーツの配達員が稼げるかは注文数(需要)と配達員の人数(供給)しだい

ウーバーイーツの配達員(ドライバー)に将来性はあるのでしょうか。
ある仕事の将来性について考えるとき、その仕事をする人の需要と供給のバランスはとても重要になります。

ウーバーイーツの配達員の場合、需要と供給は

  • 需要→ウーバーイーツの料理の注文回数
  • 供給→配達員の人数

となります。

より具体的に言うと、
配達するドライバーが人手不足になるくらい注文数のほうが多い。
こんな状態が続けば、配達員はお金を稼ぎやすくなります。

そして、この状態がこれからも続くようなら将来性はあると考えられます。

この記事では、ウーバーイーツの配達員の需要と供給のバランスがどうなっているか、データなどを使いながら説明します。

サイト管理人 南研吾
サイト管理人 南研吾
「稼げる」というイメージが強かった弁護士でさえ、需要と供給のバランスが崩れて今は昔より稼ぎにくくなっています[1]Newsweek:弁護士の平均年収は4割減 過去十年で年収が上がった職業、下がった職業
仕事において、需要と供給のバランスはそれくらい重要なのです。

コロナ禍でデリバリーを注文する人は急増

まずはウーバーイーツで注文されている食事の回数をチェックし、需要を確認しましょう。
食事の注文数は非公開となっていますが、さまざまな報道で紹介されたデータ等を紹介します。

フードデリバリー市場は2020年は前年比で3倍に

まずはフードデリバリー市場全体の数字についてです。
2020年1月から2021年1月のあいだ、日本だけでなく世界中に大きな変化がありました。
この1年間で、フードデリバリーを利用する日本人は約3倍の902万人に増えています[2]Business Insider:「ニンジンなしで走らされる」日本のウーバーイーツで報酬引き下げの知られざる背景

体感として、新型コロナウイルスが流行しはじめてから街中でウーバーイーツの配達員を見かけることが増えていませんか?
新型コロナによる巣ごもり消費がフードデリバリー市場全体に良い影響を与えたのですね。

ウーバーイーツの注文数は前年比で4倍に成長

つぎは本題でもあるウーバーイーツの注文数についてです。
結論を言うとかなり伸びていて、2020年は前年比4倍になったようです[3]日経新聞:ウーバーイーツ日本代表 「二兎追うものは三兎を得る」

2020年1月から2021年1月にかけてデリバリー市場は3倍に増えましたが、ウーバーイーツは市場の伸びを上回るスピードで成長しています。
ものすごい伸びですね

ウーバーイーツで注文できる飲食店は9万5千店を超えている、という報道もあります[4]ダイヤモンド・チェーンストア:フードデリバリーの枠を超える!ウーバーイーツがスーパー、コンビニの配送をする理由を事業責任者に聞く
フードデリバリー市場の伸びにつられて伸びたというよりは、ウーバーイーツが市場を拡大している、という方が正しいかもしれません。
それくらい素晴らしい勢いでウーバーイーツは伸びています。

需要の伸びを示すデータ等はたくさんある

ここまで紹介したもの以外にも、配達員の需要が増えていることを示すデータはたくさんあります。
下のグラフを見てください。

Googleで「ウーバーイーツ」と検索した人の推移のグラフ

これはGoogleをつかって「ウーバーイーツ」と検索した人の推移のグラフです。

2020年4月のはじめての緊急事態宣言のタイミングで急増し、それからやや下がっていますが高い水準を維持していることがわかります。
このデータは、2021年に入ってもウーバーイーツに興味を持っている人は減っていない、ということを意味します。

つぎはウーバーイーツを運営する会社の(Uber Japan株式会社)業績を見てみましょう。

Uber Japan株式会社の業績(利益剰余金)の推移グラフ

売り上げ数字ではありませんが、会社の順調に業績が推移していることがわかりますね。

配達員がレストラン等の食事以外もデリバリーできるようになる、というニュースもあります。

このような取り組みが増えれば増えるほど、配達員の需要も高まっていくでしょう。

需要は順調すぎるくらい伸びている

ここまで

  • フードデリバリー市場
  • ウーバーイーツの注文数
  • ウーバーイーツと検索した人
  • Uber Japan株式会社の業績

などのデータを紹介しました。

これらの数字を見ると、市場や注文数は非常に順調に伸びていることがわかりますね。
配達員の需要については数字上はまったく問題なさそうです。
むしろ需要は高くなる一方に見えます。

コロナ失業の受け皿にもなり配達員も急増中

ウーバーイーツの配達員について、まずは需要が増えていることがわかりました。
では供給(配達員の数)はどうなっているのでしょうか。

2021年現在の配達員の数はどれくらい?

残念ながら、ウーバーイーツの配達員の数は公開されていません。
しかし

現在10万人いる配達パートナーによる事故リスクなどの問題も表面化している。

引用元:ウーバーイーツ日本代表 「二兎追うものは三兎を得る」

料理宅配のウーバーイーツジャパン(東京・港)は2021年中にもサービス地域を全国に広げる。約10万人いる配達員も最大で20万人に倍増する見通し。

引用元:ウーバー、料理宅配を全国拡大 外食の業態転換加速も

などの報道から、2021年現在の配達員の数は全国で10万〜10数万人くらいではないか、と推測できます。

これからも配達員の数は増えていくのか?

さきほどウーバーイーツの需要について説明したとき、新型コロナによって注文数が急激に増えたと紹介しました。
もし配達員の数が変わらないのに注文数が急増したら配達員は大忙しとなり、かなりお金が稼ぎやすい状況になります。

しかし、そんなに単純な話ではないようです。
ウーバーイーツの配達員による労働組合「ウーバーイーツユニオン」の執行委員長をつとめる土屋俊明さんは、東京新聞の取材に対して

「以前、東京エリアで1万人と言われたが、今は数倍ではないか」

引用元:Uber 配達員増えすぎ苦境 コロナ禍での失業者の受け皿だったが…

このようにコメントしています。

2020年に注文数は急激に増えたのですが、同時に配達員の数も急激に増えたようなのです。
「(新型コロナの影響で)いまならウーバーイーツで楽に稼げる」
などの噂というか口コミがSNSなどで拡散したのかもしれませんね。

東京新聞はウーバーイーツの配達員はコロナ失業の受け皿になっている、とも報じています[5]東京新聞:Uber 配達員増えすぎ苦境 コロナ禍での失業者の受け皿だったが…
もしこの報道が事実なら、新型コロナが景気に悪影響を与えているあいだは配達員の数は増え続けそうです。

2021年の6月現在、新型コロナの終息はまだまだ遠いです。
雇用への悪影響は大きく、コロナの影響で失業する人はいまもたくさんいます[6]日経新聞:コロナ解雇10万人超える 厚労省集計 製造業が最多
ということは需要だけでなく供給もしばらく増え続けそう、ということですね。

誰でも配達員になれるから需要と供給の問題は改善されない?

ここまでの内容で、いま現在のウーバーイーツの配達員の需要と供給がざっくりとわかったと思います。
けれど、ほとんどの人にとっての問題は
「これからどうなるか」
です。

ウーバーイーツの配達員は、これからどうなるのでしょうか。

未来に何が起きるかは誰にもわからない

「これからウーバーイーツの配達員は〇〇〇になる!」
という風にズバッと言えれば良いのですが、未来がどうなるかは誰にもわかりません。
だから、未来について断定することは難しいです。

たとえば、もし

  • 新型コロナのワクチンが日本中に行き渡る
  • Go Toトラベルが再開して外食する人が増える
  • 何らかの理由でウーバーイーツの人気が低下して注文数が減る

などが起きたら、在宅勤務する人が減り、自宅で食事をする人も減ります。
となると配達員の需要は減るはずです。

反対に

  • 新型コロナの変異種が拡大し、巣ごもり消費が増える
  • 新型コロナよりも強力な感染症が流行する
  • 若者を中心にスマホでデリバリーを頼むことが習慣化する

などが起きたら配達員の需要は増えます。

しかしこれらの出来事が起きるかどうか、さらには起きるタイミングを正確に予測するのは困難です。
だから、需要と供給のバランスがどう変わるかを未来予測することは難しいです。

18歳以上ならほぼ誰でも配達員になれることが問題になる

未来の需給バランスを予測できなくても、これからも変わらないであろう事実があります。
それは
「18歳以上ならほぼ誰でもウーバーイーツの配達員になれる」
という事実です。
そして、これが需要と供給に大きな影響を与えます。

ウーバーイーツの配達員になるための条件は
「18歳以上であること」
です。
ということは、18歳以上なら誰でもなろうと思えば配達員になれるのです。
特別なスキルは必要ではありません。
仕事道具となる自転車があれば、お金もほとんどかかりません。
だから、もしウーバーイーツの配達員の仕事内容や給料が魅力的なものであれば、配達員はどんどん増えます。

サイト管理人 南研吾
サイト管理人 南研吾
18歳になっていれば高校生でも配達員になれます。

これは働く配達員にとっては大きな問題となります。
なぜなら、ウーバーイーツの配達員が良い仕事であればあるほど、供給が増えるからです。
供給が増えれば注文を奪い合う競合が増えることになります。

ウーバーイーツが日本で始まった2016年の9月です[7]Uber Newsroom:UberEATS、東京で開始!
サービス開始当初は若い人たちの間にも

  • どんな仕事かわからず怖い・怪しい
  • 人に見られたら嫌だ・恥ずかしい

このような意識がありました。
けれど

  • 割引クーポンの大量発行
  • 堀江貴文さんをはじめとしたインフルエンサーの口コミなどの影響

などにより、若者を中心にウーバーイーツで注文する人はたくさんいました。
だから当時は需要よりも供給が少ない状態で、お金を稼ぎやすかったはずです。

しかし、いまはウーバーイーツで働くことは普通のことです。
別に怖いことではないし、とくべつ危ない仕事では無いこともみんな知っています。
都市部に住んでいる日本人の1割以上がフードデリバリーで働いたことがある、というアンケート結果もあるくらいです[8] … Continue reading

  • ほぼ誰でもウーバーイーツのドライバーとして働ける
  • ウーバーイーツの仕事が日本人にとって当たり前になる

このような条件がそろっている以上、いくら需要が伸びても供給も増え続けます。
だから
「配達するドライバーが人手不足になるくらい注文数のほうが多い」
という状態にはなりにくいのです。
ということは、需給バランス的には
「楽にお金を稼げる状態ではない」
とも言えます。

ウーバーイーツで働く人はリスクや次の仕事に備えることが大事

ここまで紹介したように、ウーバーイーツの配達員の

  • 需要(注文数)
  • 供給(配達員の数)

のバランスは改善されるとは思えません。

サイト管理人 南研吾
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この場合の「改善」とは配達員目線での話です。
注文する人の立場だと、配達員が多ければ多いほど早くデリバリーしてもらえることになります。

むしろ、供給が多すぎてお金を稼ぎにくくなる可能性はかなり高いと思います。
この記事では書きませんでしたが、宅配ロボットなどで食事の配達を自動化しようとする動きだってあります。

だから、お金が稼ぎにくくなる前に色々と備えておくことが大事です。
具体的には

  • 配達員として得たお金である程度の貯金を貯めておく
  • いつでも就職・転職できるようなスキルを身につけておく

などです。
需給バランス的にはウーバーイーツのドライバーの仕事を専業ですることはかなりリスクが高い、ということを把握しておいてください。

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