いまは昔よりも変化が激しい時代です。
そして、これからはさらに変化のスピードが上がるはずです。
専門家の間では、そんな時代を生き抜くスキルとして
「デジタルフルーエンシー」
が重要だと言われ始めています[1]LinkedIn:2021 Workplace Learning Report。
この記事では「デジタルフルーエンシー」について説明します。
デジタルフルーエンシーとはどんな意味で、なぜ重要なのかを知りたい方はぜひ記事を読んでください。
「デジタルフルーエンシー」とは?
はじめに
「デジタルフルーエンシー」
とはどんな言葉で、どんなスキルなのかを説明します。
「デジタルフルーエンシー」という言葉の意味
まずは、みなさんおそらく聞き慣れないであろう
「デジタルフルーエンシー」
という言葉の意味を説明します。
デジタルフルーエンシーは英語だと
「Digital Fluency」
という表現になります。
それぞれの意味を調べると
- Digital→デジタル
- Fluency→言葉や文体の流暢(りゅうちょう)さ、なめらかさ
となります。
なので、デジタルフルーエンシーを日本語にすると
「デジタルの流暢さ」
こんな意味の言葉になります。
「デジタルの流暢さ」とはどんなスキルなのか?
「デジタルの流暢さ」とはどんなスキルなのでしょうか。
簡単に言うと
「目的を達成するために、適切なデジタルテクノロジーやツールを選択し、活用する能力」
これがデジタルフルーエンシー(デジタルの流暢さ)です。
言葉をかんたんに言い換えると
「デジタルツールを使いこなす力」
なんていう風にも言えると思います。
「流暢(りゅうちょう)」という言葉はよく日本語に関連して使われます。
では「流暢な日本語」とはどんな日本語でしょうか。
おもに外国出身の人が日本語を上手に使いこなしている時に
「あの人の日本語は流暢だねえ」
などのような表現を使います。
このとき、その日本語はただ上手なだけでなく、状況に応じて適切な言葉をつかってコミュニケーションが取れていることを意味します。
デジタルフルーエンシーも同じことです。
その状況において、適切なデジタルテクノロジーやツールを選択し、活用できていると
「デジタルフルーエンシーがあるねえ」
と評価されるでしょう。
デジタルリテラシーとの違い
デジタルフルーエンシーと似ている「デジタルリテラシー」との違いについても少し説明します。
デジタルリテラシーには
「インターネットなどのデジタル系の知識をもち、サービス・製品などを使いこなす力」
という意味があります。
正直なところ、言葉の意味だけを見ると
- デジタルフルーエンシー(Digital Fluency)
- デジタルリテラシー(Digital Literacy)
この二つにはほとんど違いはありません。
しかし、デジタルリテラシーにはニュアンスとして、デジタルの活用よりは基礎知識の部分を指す言葉として使われることが多いです。
反対に、デジタルフルーエンシーは基礎知識の部分よりも活用の方を指す言葉として利用されることが多いです。
どちらも似ていますが、ニュアンスとしてはこのような違いがあることを知っておいてください。
なぜデジタルフルーエンシーは重要なスキルなのか?
- 世界一の転職SNSのLinkedIn
- 世界トップクラスのコンサルティング会社のマッキンゼー
などの超巨大企業は
「これからの時代の重要スキル」
としてデジタルフルーエンシーを挙げています[2]LinkedIn:2021 Workplace Learning Report[3]McKinsey & Company:Defining the skills citizens will need in the future world of work。
これからの時代、なぜデジタルフルーエンシーが重要なのでしょうか。
デジタルフルーエンシーが重要スキルと考えられている理由を説明します。
デジタルはすべての産業に浸透する
インターネットなどのデジタル技術は、私たちの暮らしを便利に、そして豊かにしてくれました。
今の私たちにとって
などのデジタルサービスは生活に欠かせないものになりつつあります。
生活だけではありません、仕事でもデジタル技術を使う機会は増えているはずです。
要は、生活や仕事だけでなく人生のすべての場面でデジタル技術が関わるようになっているのです。
このような変化は
DX(デジタルトランスフォーメーション)
と呼ばれてます。
DXはまだはじまったばかりです。
おそらく、これからほぼすべての産業にデジタル技術が広がり、社会は再構築されていくでしょう。
デジタル技術に対応できない人はどうなる?
DXが浸透したら、働くひとは自然とデジタル技術・製品を扱うことになります。
このとき、デジタルフルーエンシーが低い人はどうなるでしょうか。
デジタルフルーエンシーが低いと、デジタル製品を使いこなすのが難しくなります。
となると、デジタルフルーエンシーが低い人は
- (デジタルを使いこなす人と比べて)生産性や仕事の効率が下がる
- 会社で成果を出しにくくなる
- 転職に成功しにくくなる
などの恐れがあります。
ひとつの専門スキルだけで生きていくのは難しい
「これからの時代はデジタルだ!」
と思い立ち、プログラミングを学ぶ人はたくさんいます。
たしかに、プログラミングなどの専門スキルはとても重要です。
2021年げんざい、プログラミングスキルがある人の需要はとても高く、就職・転職もしやすいでしょう。
ただ、プログラミングのような専門スキルは
- プログラマーの需要よりも供給が増えとき
- プログラミングの自動化が進行したとき
などのケースでは、そのスキルの価値が下がることがあります。
このような現象は
「スキルの陳腐化(ちんぷか)」
と呼ばれます。
いまは全ての物事で、変化のスピードがとても速くなっています。
なので、もし一つのスキルを深く掘り下げ高い専門スキルを身につけたとしても、将来が保証される訳ではありません。
AI(人工知能)をはじめとした新しいテクノロジーが、いきなり特定のスキルを陳腐化してしまうことがあるからです。
例えるならゲームのルールが突然変わり、それまで役に立ったスキルが急に役に立たなくなる。
こんなことが未来に突然起こることがありえるのです。
デジタル技術を活用・使いこなす人は変化に対応できる
デジタルフルーエンシーが高いと
- DXが起こすデジタル化に対応できる
- 予測できない変化が起きても、新しいテクノロジーに対応できる
などのメリットがあります。
要は、デジタル技術やツール・製品を使いこなすスキルがあれば短い学習時間で変化に対応できるのです。
変化が早い時代では、変化に対応できることが大事です。
だからデジタルフルーエンシーが重要なスキルになるのです。
大事なのは「テクノロジーフルーエンシー(テクノロジーの流暢さ)」
ここまで
- テクノロジーフルーエンシーの意味
- なぜテクノロジーフルーエンシーが大事なのか
について説明しました。
ですが、お伝えしたいことがあります。
それは
「大事なのはテクノロジーフルーエンシー(テクノロジーの流暢さ)」
だということです。
今の時代ではデジタルフルーエンシーが重要です。
でも、未来はデジタル技術があまり重要視されなくなる可能性があります。
そのとき、今からは想像できないような新しいテクノロジーが誕生しているかもしれません。
つまりどんな時代でも、時代を生き抜くために必要になるのは
「テクノロジーフルーエンシー(テクノロジーの流暢さ)」
です。
結局のところ、その時代その時代の最新のテクノロジーを使いこなすことが大事なのです。
今の時代はたまたまデジタルが重要なだけ、ということですね。
なので、ぜひ新しいテクノロジーが出てきたらまずは試し、使ってみてください。
やはり使うことがフルーエンシー(流暢さ)を高めるためには欠かせません。
引用・脚注
↑1, ↑2 | LinkedIn:2021 Workplace Learning Report |
---|---|
↑3 | McKinsey & Company:Defining the skills citizens will need in the future world of work |
コメント