ウーバーイーツの配達員はウーバーイーツに雇用されている会社員ではありません。
だから、何かの出来事をきっかけに急に
「取引停止(アカウント停止)」
となり、配達員として働けなくなるリスクがあります。
なぜウーバーイーツの配達員にはこのような事が起こりうるのかを説明します。
ウーバーイーツと配達員は「取引先」という関係
はじめにウーバーイーツと配達員の関係性を整理しましょう。
ウーバーイーツの配達員は「ウーバーイーツから業務を委託された個人事業主」となります。
言い方を変えると
「ウーバーイーツの配達員はウーバーイーツに雇用されている従業員ではない」
とも言えます。
ウーバーイーツの利用規約では配達員に関する表現として
「独立した第三者の提供業者」
とあります。
配達員は
「ウーバーイーツが仕事を依頼した外部の第三者」
ということですね。
要はウーバーイーツと配達員は対等な取引関係にあり、主従関係(雇用者と被雇用者)ではない、ということです。
Amazonをつかって買い物をする人はこの関係性をイメージしやすいと思います。
Amazonで注文した商品は、Amazonから依頼を受けた第三者(Amazonではない外部の配送業者)が届けているはずです。
Amazon自身が商品をお客さんに届けたりはしませんよね。
ウーバーイーツもこれと同じことです。
英語の「パートナー(Partner)」には「仲間」「協力」「相棒」という意味があるので、やはり両者が対等な取引関係であることがわかります。
ウーバーイーツと配達員はお互いの意思で取引を停止できる
繰り返しになりますが、ウーバーイーツと配達員は対等に取引する関係で、雇う側・雇われる側ではありません。
なので、お互いがそれぞれの意思で
- 仕事を依頼するかどうか
- 仕事を拒否するかどうか
などを決定できます。
ウーバーイーツはどの配達員に仕事(食事のデリバリー)をお願いするかを決められます。
配達員はウーバーイーツから依頼された仕事の内容をチェックし、自分の判断で断ることができます。
対等な取引関係なので、お互いが自分たちの意思で自由に判断できるのです。
対等な立場だからこそ起きる辛い事例もある
ウーバーイーツは世界的にかなり高いシェアを持つフードデリバリープラットフォームです。
そんなウーバーイーツと対等な立場で取引できるのは素晴らしいことのように思えます。
しかし、対等な立場だからこそ起きてしまう、配達員にとっては辛い事例もあります。
事例とは、じっさいに起きた以下のような出来事です。
- 配達キャンセルを続けるとウーバーイーツから警告を受ける[1]Business Insider Japan:「ニンジンなしで走らされる」日本のウーバーイーツで報酬引き下げの知られざる背景
- 配達員の評価が下がるとアカウントが停止される[2]Business Insider Japan:「ニンジンなしで走らされる」日本のウーバーイーツで報酬引き下げの知られざる背景
- 配達員が交通事故を起こすとアカウントが停止される[3]Business Insider Japan:【実録】追い詰められるウーバー配達員、相次ぐ事故の背景に何が?
もしウーバーイーツ専業の配達員がアカウント停止されたら、途端に生活が苦しくなってしまいます。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか。
これは、ウーバーイーツと配達員は雇用者と被雇用者の関係ではないからです。
日本の会社員は被雇用者なので、労働基準法という法律によって保護されます。
具体的に言うと、重大な違反などの理由がなく会社をクビになったりすることはまずありません。
会社からの理不尽な命令なども法律上は禁止されています。
しかし、ウーバーイーツの配達員は労働者ではありません。
配達員はウーバーイーツのいち取引先です。
なので、いわゆる「クビ」という概念はありません。
取引をするか、しないか。
あるのはこれだけです。
取引先と仕事を続けるかどうかはウーバーイーツの自由です。
だから、何かをきっかけとした急なアカウント停止などが起きることがあるのです。
事例で紹介したような出来事は、ウーバーイーツと配達員が対等な立場だからこそ起きるのです。
対等だから配達員の意思で取引を急に停止することもできるのです。
状況次第では実質的には「下請け」になってしまうこともあり得る
ウーバーイーツにとって、配達員はパートナーです。
配達員がいなくなったら、ウーバーイーツのビジネスモデルは成立しません。
だから、配達員はなくてはならない存在です。
けれど、仮にウーバーイーツの仕事を依頼できる配達員が無数にいるような状況だとします。
そんな状況だと配達員はパートナーというよりは、実質的にはいくらでも代わりがいる、いわゆる
「下請け」
になりかねません。
今のところ、注文数と配達員の数はまずまず良いバランスのように見えます。
しかし、いつこのバランスが崩れるかはわかりません。
配達員にとって最悪なのは、
配達員の数>>>>>>注文数
このような状況になっているときです。
ひとつの注文をたくさんの配達員で奪い合いような状況は配達員にとってはしんどい状況です。
ウーバーイーツの配達員には誰でもなれるので、いつ配達員が供給過剰になるかはわかりません。
だからこそ、配達員には急なアカウント停止などのリスクがあることを把握し
- ウーバーイーツ以外の仕事をして収入源を複数持つ
- 新しいスキルを学び、就職・転職しやすいよう努力する
などをしてリスクを分散させることをオススメします。
引用・脚注
↑1, ↑2 | Business Insider Japan:「ニンジンなしで走らされる」日本のウーバーイーツで報酬引き下げの知られざる背景 |
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↑3 | Business Insider Japan:【実録】追い詰められるウーバー配達員、相次ぐ事故の背景に何が? |
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