好きな場所から働ける「テレワーク」が注目されています。
しかし
「(自分の仕事は)テレワークなんかできないよ」
という声もたくさんあがっています。
じゃあ、どんな仕事ならテレワークができるのでしょうか?
この記事ではさまざまなサイトが行ったアンケート結果をまとめ、テレワークしやすい職種をランキングで紹介します。
テレワークしやすい仕事のキーワードを先に紹介します。
キーワードになるのは
- インターネット
- 頭脳
- 人
この三つの言葉です。
「どんな仕事ならテレワークができるの?」
これが知りたい人はぜひ読んでください。
テレワークができる会社や異業種に転職したい人なら、この記事がきっと役に立つはずです。
テレワーク・リモートワーク・在宅勤務の違い
どんな仕事ならテレワークができるかを知る前に
- テレワーク
- リモートワーク
- 在宅勤務
この三つの働き方の違いをかんたんに説明しておきます。
おそらく、この三つはすべて同じようなものだと考えていませんか?
じっさい、そのような捉え方は間違いではありません。
ざっくり説明すると、テレワークとリモートワークは
「好きな場所で働いていいよ」
という働き方です。
だから、会社や上司などが許せばカフェやホテルの部屋からでも働くことができます。
在宅勤務は、「在宅」つまり自宅から働くことを意味します。
在宅勤務は、はたらく場所が指定されているのですね。
とはいえテレワークなどで働く人のほとんどが自宅で働いているはずです。
だから、結局のところテレワークしやすい職業・職種は
- リモートワーク
- 在宅勤務
がしやすい職業・職種でもあります。
まず、これを理解してください。
テレワークできる確率が高い仕事ランキング
本題のランキングにうつります。
- 転職系
- 人事系
などのサービスを手がける会社がテレワークについてのアンケートを実施しています。
当サイトでは、それぞれの会社がおこなったアンケートを図でまとめ、テレワークしやすい職種がすぐわかるようにランキングで紹介します。
ランキングは複数のアンケートから引用するので、ひとつづつ紹介していきます。
ランキングを紹介したあと、結果を分析し
「ランキングからわかること」
を解説する、という流れになります。
WEB系の仕事が上位にランクイン
まず最初は、パーソル総合研究所がおこなったアンケートを見てみましょう。
余談ですが、パーソル総合研究所はdodaやテンプスタッフなどの転職系サービスを運営するパーソルホールディングスのグループ企業です。
パーソル総合研究所は
- 調査期間:5月29日から6月2日
- 対象となった人:正社員として働く人
- アンケート実施人数:20,000人
このような内容で、テレワーク実施状況についてのアンケートを行いました[1]パーソル総合研究所:緊急事態宣言解除後のテレワークの実態について調査結果を発表。
アンケートのなかには
「業種別・職種別・企業規模別のテレワーク実施率」
という項目があります。
結果をまとめ、職種・職業別でのテレワーク導入率をランキングにしました。
1位はコンサルタントです。
そして2位は「WEBクリエイティブ職(WEBデザイナー、プランナーなど)」でした。
おなじクリエイティブ職でも、WEBとWEB以外ではテレワーク導入率に25.1%もの差があります。
WEB、つまりインターネットと関連する仕事はテレワークと相性が良さそうですね。
ここでは取り上げませんでした、パーソル総合研究所は大規模でかなり詳しいアンケートを実施しています。
テレワークに興味がある方なら絶対に参考になるデータですので、ぜひ元データであるリンク先もチェックしてください。
パーソル総合研究所のアンケート結果リンク
サービス業はリモートワーク導入率が低い
人事管理システムなどを提供している「カオナビ」は
- 調査期間:5月1日から5月7日
- 対象となった人:20代~60代の自由業を除く有業者
- アンケート実施人数:9,721
このような条件で「リモートワーク実態調査レポート」というアンケートを実施しています。
さっそく、リモートワーク導入率が高い職種のランキングを見てみましょう。
先に紹介したパーソル総合研究所とはアンケート方法が違うのか、異なる結果になりました。
このランキングだと、リモートワーク導入率の高さよりは低さが目立ちます。
とくに「販売・サービス」つまりサービス業のリモートワーク導入率が低いですね。
あとは意外ですが、公務員のリモートワーク導入率が想像よりも高いことに驚きます。
カオナビはリモートワークについて
- リモートワーク、盛り上がっているように見えるけど?
- リモートワーカーは何を感じている?
- リモートワークに価値はあるのか?
などテーマで、複数回のアンケートを実施しています。
どれも参考になるアンケートなので、テレワークに興味がある方ぜひチェックしてください。
カオナビHRテクノロジー総研
企画・マーケティング職がテレワーク率80%超
三つ目は、株式会社リクルート住まいカンパニーが実施したアンケートです[2]リクルート住まいカンパニー:「新型コロナ禍を受けたテレワーク×住まいの意識・実態」調査。
実施条件は以下の通りです。
- 調査期間:4月17日から4月20日
- 対象となった人:20歳-64歳のクエストリサーチモニタの男女
- アンケート実施人数:9,570
さっそくランキングを見てみましょう。
「企画・マーケティング」のテレワーク実施率が80%を超えました。
これまでのアンケートでは、82%は抜けた1位ですね。
こちらのアンケートでもサービス業のテレワーク導入率は下位に低迷しています。
「新型コロナ禍を受けたテレワーク×住まいの意識・実態」調査
サービス業でもVRやアバターなどの技術をつかってテレワークができるようになっていますが、まだまだ普及していないということですね。
ランキングからわかること
ランキングの順位のデータを見てわかることを整理します。
ポイントは三つあります。
その三つとは
- インターネット
- 頭脳
- 人
です。
この三つを組み合わせた仕事は、テレワークできる確率がとても高くなります。
それぞれ解説します。
もっとも重要なのは「インターネット」
テレワークの大前提は「インターネット」です。
テレワーク導入率が高い仕事は、すべてインターネットを活用する仕事です。
これについて
「そんなの当たり前のことだよ」
とみなさんが思うのは当然だと思います。
テレワークでは、パソコンをインターネットに接続しながら仕事をするがスタンダードです。
仕事内容だけでなく、テレワークする環境としてもインターネットは欠かせません。
そして、インターネットに接続するパソコンなども欠かせないアイテムです。
基本的なことですが、大事なことなのでまず「インターネット」を挙げました。
手よりも頭脳を使う仕事
テレワーク率が高い仕事には、インターネット以外にも共通点があります。
それは「手」よりも「頭」を使う、という点です。
何かを創造したり、企画するなどの頭脳を使った仕事が多いのです。
さらに言うと、事務的な仕事などでよく使われるマイクロソフトの
- ワード
- エクセル
よりも、パワーポイントなどのプレゼンソフトをつかう職種が上位に食い込んでいます。
ワードやエクセルをつかって事務的にデータを処理するより、自分で何かを生み出す仕事の方がテレワークはしやすい、ということですね。
人に営業したり交渉する仕事
最後のポイントはは
「人にたいして営業したり交渉する仕事」
です。
テレワーク率が高い仕事には、人に対して
- 営業
- 提案
- 交渉
などの活動をする、という特徴があります。
このような仕事には
- 相手がどのような気持ちでいるか
- 相手が何を考えているか
などを想像することが欠かせません。
話が少しずれますが、相手の気持ちを考えて行動するような仕事はAI(人工知能)には難しいと言われています。
AIが普及したら、相手の気持ちを汲み取って行動したり提案するようなテレワーク向きの仕事は
「人にしかできない仕事」
として注目されるかもしれませんね。
テレワークで働くには仕事内容以外にも条件がある
さきほど紹介した三つのポイントを思い出してください。
- インターネットを活用する
- 手よりも頭脳を使う
- 人に営業したり交渉する
でしたね。
この三つをすべて満たす仕事は、テレワークできる確率が高いことがわかりました。
しかし、この三つ以外にもテレワークするための条件があります。
それを、いくつか紹介します。
テレワークしやすいのは正社員
いわゆる「非正規雇用」で働く人にはとても残酷なデータですが、テレワークしやすいのは「正社員」です。
ディップ総合研究所が
「2020年」これまでの求人募集が変わる! 求職者が応募したくなる採用のヒント
この記事で、2020年7月におこなったアンケートによると
- 正社員
- アルバイト・パート
- 契約社員
- 派遣社員
この4つの雇用形態では正社員のテレワーク率が高く、アルバイト・パートのテレワーク率は最低でした。
ただ、派遣社員・契約社員はアルバイト・パートよりも倍近い確率でテレワークができています。
「在宅勤務できる仕事」しか紹介しない「おうち派遣」のような人材派遣サービスも増加しており、派遣社員でもリモートワークできる環境はどんどん整っています。
もしいまアルバイト・パートとして働いており、これからテレワークで働きたいなら
- 派遣社員
- 契約社員
を目指して勤務先に交渉したり、転職するのが近道かもしれません。
テレワーク率が高いのは東京・埼玉・千葉・神奈川
もうひとつ、データを見てみましょう。
都道府県別でのテレワーク実施率のデータです。
名古屋・大阪・福岡などの大都市では意外とテレワーク率が低く、東京周辺のテレワーク導入率が高いことがわかります。
つぎは都道府県別ではなく
- 首都圏
- 中部地方
- 九州地方
など、地域別での導入率を見ましょう。
こちらに関しては、首都圏が圧倒的に高いことがわかります。
つまりテレワークしやすいのは関東地方で働く人、ということになります。
仕事内容・雇用形態・場所が重要
最後に、これまでのデータからわかったことを整理します。
まず第一に、テレワークできる仕事内容を選ぶことが大事です。
テレワークができる仕事かどうかは
- インターネットをつかう
- 頭脳をつかう
- 人と交渉したり営業をする
この三つのポイントをすべて満たせば、テレワークと相性がよい仕事になります。
次は、雇用形態です。
テレワークしやすい雇用形態は、上から準に
- 正社員
- 派遣社員
- 契約社員
- アルバイト・パート
となります。
ただし、アルバイト・パートから契約社員になるだけで、テレワークできる確率はだいぶ高くなることを覚えておきましょう。
最後に、場所についてです。
場所に関して言うと、圧倒的に東京をふくむ関東地方がテレワーク導入率が高いです。
テレワークできる仕事をしたいなら
- 仕事内容
- 雇用形態
- はたらく場所
この三つをチェックし、テレワークできそうな求人に応募してください。
最後にもうひとつ付け加えると、テレワークできる仕事はAI(人工知能)にはできない仕事が多いです。
みずほ総合研究所は「コロナショックと労働市場」というレポートで
雇用の自動化リスクが高いほどテレワーカビリティが低いという関係がみられる。
引用元:コロナショックと労働市場
このような結果を発表しています。
つまり、AIやロボットなどで自動化しやすい仕事はテレワークできる確率が低い、ということです。
言い換えれば
「テレワークできる仕事はAIやロボットに仕事を奪われにくい」
のです。
いまは人生100年時代です。
長期的な視野で職業を選ぶとき「AIにできない仕事」というのは魅力的だと思いませんか?
できればAIにできない仕事をして、人ならではの能力を発揮して生きてきたいものです。
引用・脚注
↑1 | パーソル総合研究所:緊急事態宣言解除後のテレワークの実態について調査結果を発表 |
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↑2 | リクルート住まいカンパニー:「新型コロナ禍を受けたテレワーク×住まいの意識・実態」調査 |
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