eVTOL(読み方は「イーブイトール」)は空を飛ぶ、新しいというか近未来の移動手段です。
しかし、新しい移動手段だからといって全く新しい使われ方をする訳ではありません。
基本的には以前からある移動手段の代わりとして利用されるようなことが多くなると思います。
この記事では、eVTOLが活用されるであろう場面を
- ヒトの移動・輸送での活用シーン
- モノの輸送での活用シーン
この2種類に分けて紹介します。
eVTOLが将来どんな場所で使われるのか、利用イメージを確認したい方はぜひ記事を読んでください。
ヒトの移動・輸送において想定される活用シーン
最初は、eVTOLが
「ヒトの移動・輸送」
においてどんな風に活用されると予測されているかを紹介します。
タクシーの代わり
eVTOLは別名で
「空飛ぶタクシー」
とも呼ばれています。
つまり、空路を通れるタクシーとして地上のタクシーの代わりになるのではないか、と期待されているのです。
なので
- 働く人の通勤や打ち合わせ時の移動[1]日経新聞:eVTOLとは 「空飛ぶクルマ」の主流に
- 観光で地域を訪れた旅行者の移動
などのケースで、タクシーの代わりに使われるのではないかと考えられます。
法律上日本での実現は難しいかもしれませんが、配車サービスのUberのようなライドシェアを目的として利用されることもありえます。
もしeVTOLをつかったUber的なサービスが実現したら、「空のライドシェア」という風なキャッチフレーズでメディアで紹介されるはずです。
ですが、じっさいの料金についてはサービスがはじまらないとわかりません。
バスの代わりになる可能性も
eVTOLは、今のところ乗客は1人から5・6人くらいだと想定されています。
サイズがそれほど大きくないこともあり、あまりたくさんの人は乗れないのです。
しかし、海外では大型のeVTOLの開発が進んでいます。[3]Lilium:Path to certification of the 7-Seater Lilium Jet
だから将来的には10人くらいが乗れる大きめのeVTOLが登場することもありえます。
10人以上乗れるようなeVTOLができれば小型のバスの代わりにもなるかもしれませんね。
もし大人数が乗れる低料金のeVTOLが出来たら、過疎地域などの移動手段として大活躍するはずです。
セスナのような小型の飛行機の代わり
eVTOLはただ空を飛べるだけではありません。
機体によってはかなりの高速(時速300キロくらい)で空を飛べます。
だからセスナのような小型の飛行機の代わりになることもありえます。
ちなみに、日本の大手航空会ANAは
- 会社経営者などエグゼクティブ
- たくさんの資産をもつ富裕層
などを対象に、特定のルートを運航する定期便を2025年の大阪万博に合わせて開始する、という発表をしています[4]経済産業省:空の移動革命に向けた官民協議会資料 ANAホールディングス。
初期はこういったお金に余裕がある人向けのサービスが増えるかもしれません。
このようなサービス以外だと、離島への観光客の移動などにも活用できそうですね。
負傷者・急病者の救急搬送用
eVTOLでの飛行には
- 時速100キロ以上のスピードで移動できる
- 最短ルートで目的地まで進める
という特徴があります。
このような特徴があるので、災害時の救助や負傷者・急病者の救急搬送用としても期待されています[5]日経新聞:eVTOLとは 「空飛ぶクルマ」の主流に。
趣味・レジャー用として
eVTOLは高価な機体ですが、個人が購入するのは不可能というほど高い訳ではありません(数千万円から購入可能と考えられています)[6]株式会社日本政策投資銀行:社会実装に向けて離陸する新たなモビリティ「空飛ぶクルマ」。
なので富裕層などが趣味やレジャー用、さらには自家用の移動手段として購入することも考えられます。
変わったところだと、キャンピングカーとしても使えるeVTOLがあります。
レジャー用として、下の動画のようなeVTOLが流行ったりするかもしれませんね。
空飛ぶ電気レーシングカーのレース用
実現するかどうかはわかりませんが、eVTOLがスピードを競うレースという変わり種が企画されています。
企画しているのはオーストラリアの「Airspeeder」という会社です。
実現するにあたってはクリアしないといけない問題が多そうですが、下の動画を見ると普通のレースみたいでなかなか興味が深いです。
モノの輸送において想定される活用シーン
はじめにeVTOLが「ヒトの移動・輸送」でどんな風に活用されるかを紹介しました。
次は
「モノの輸送」
でどんな風に活用されそうかを紹介します。
貨物・小包の運送
将来的にはドローンが物流を担い、小型の荷物も宅配すると言われています。
eVTOLは仕組み的にはドローンとよく似ており、ドローンよりも荷物が積めるスペースは広いです。
ということは、eVTOLもドローンと同じく物流の仕事ができる可能性が高くなります。
使い方としては
- ビジネスでの重要な書類・モノの即日配送
- 緊急時の医療物流の輸送
のような緊急性が高いモノを運ぶのに活躍しそうです。
2030年は「eVTOL元年」になる?
今のところ、日本ではeVTOLは2030年頃の実用化をめざして色々と調整されています。
203年になったら、空を見上げたらたくさんのeVTOLを見つけられるかもしれません。
もしそうなったら、2030年は
「eVTOL元年」
として歴史に残る年になりそうですね。
引用・脚注
↑1, ↑5 | 日経新聞:eVTOLとは 「空飛ぶクルマ」の主流に |
---|---|
↑2 | 三井物産戦略研究所:空の新たなモビリティーeVTOLの開発動向と展望 |
↑3 | Lilium:Path to certification of the 7-Seater Lilium Jet |
↑4 | 経済産業省:空の移動革命に向けた官民協議会資料 ANAホールディングス |
↑6 | 株式会社日本政策投資銀行:社会実装に向けて離陸する新たなモビリティ「空飛ぶクルマ」 |
コメント