それほど遠くない未来、宇宙旅行が当たり前になり、宇宙キャビンアテンダントという職業が女性の憧れの職業になっているかもしれません。
宇宙キャビンアテンダントとは、飛行機ではなく宇宙船に搭乗するキャビンアテンダント(CA)のことです。
どのような条件がそろえば「宇宙キャビンアテンダント」という新しい職業が誕生するのでしょうか?
宇宙キャビンアテンダントが誕生するための条件
「宇宙船キャビンアテンダント」という職業名は長いので、ここからはSTCAと略します。
※STCAは「Space Travel Cabin Attendant」の略称です
STCAは宇宙船版のCA、客室乗務員です。
ということは、民間人が普通に宇宙旅行を楽しむ時代にならないとSTCAの仕事は必要ありません。
民間人による宇宙旅行が普及するための条件としては
- 民間人による長時間(2時間以上)の宇宙旅行の商業化
- 宇宙旅行にかかる料金の低下
- 宇宙での事故等のリスク低下
などが考えられます。
これらが、どうなっているか確認してみましょう。
民間人向けの宇宙旅行サービスの内容と料金
宇宙についての情報を広く深く紹介しているWEBサイト「宇畑(そらばたけ)」に、個人向け宇宙旅行についての記事があります。
2020年サービス開始!?「宇宙旅行ビジネス」の現状とその費用、企業紹介
宇畑の記事によると
この4つの民間人向け宇宙旅行サービスがあることがわかります。
4つのサービスの、宇宙船に搭乗している時間と料金をチェックしましょう。
※一部、宇畑から情報を引用しています
- ヴァージン・ギャラクティック:搭乗時間90分程度、料金は25万ドル
- ブルーオリジン:搭乗時間15分程度、料金は20万ドル
- スペースX:搭乗時間20時間程度、料金は5,500万ドル[1]BBC:スペースXの宇宙船、ISSにドッキング成功 米民間で史上初から、ISSに到着するまでの時間を参考。
- スペース・アドベンチャーズ:搭乗時間は不明、料金は3,700万ドル
長時間宇宙船に乗るのは、ISS(国際宇宙ステーション)に滞在するタイプの宇宙旅行だけのようですね。
ISSに到着するのに48時間ほどかかるケースもあるようなので[2]ファン!ファン!JAXA!:6時間 or 2日間?! ソユーズ宇宙船の飛行時間のひみつ、時間については問題ありません。
問題なのは、料金です。
ISSに滞在するスペースX、スペース・アドベンチャーズはともに数十億円のお金がかかります。
スペースXの5,500万ドルを1ドルあたり107円の為替レートで計算すると約59億円です。
時間はともかく、この料金を見ると民間人が宇宙旅行する日は遠い未来だと感じます。
宇宙旅行での事故のリスクはどれくらいか?
そもそも宇宙旅行で事故が頻発しているようでは、個人の宇宙旅行は普及しません。
サンプルが少ないので判断は難しいのですが、民間人向けの宇宙旅行を計画しているヴァージン・ギャラクティックは、2014年10月の試験飛行中に死亡事故を起こしています。
乗客はいませんでしたが、この事故でパイロットが死亡しています。
ただ、飛行機のように死亡事故に遭う確率が数字で出ている訳ではありません[3]ライフハッカーの記事によると、飛行機事故で死亡する確率は、1100万分の1。。
宇宙旅行時の事故のリスクについては、民間人向けの宇宙旅行がはじまってみないとわからない、というのが真実でしょう。
だから宇宙旅行での事故のリスクは、現在のところ不明となります。
だから持病を持っている方には宇宙旅行は向かないと思います。
宇宙キャビンアテンダントの実現には他の問題もある
- 宇宙旅行の料金の高さ
- 宇宙旅行で事故が起きる確率(のわからなさ)
以外にも、宇宙船キャビンアテンダント(STCA)の誕生を妨げそうな問題はあります。
ざっとあげると
- STCAも宇宙旅行のトレーニングを受けなくてはいけない
- 宇宙船は狭く、旅行者が乗れる席数は少ない
- 無重力空間では筋トレをしないとどんどん筋力が衰えてしまう[4]Forbes:実現近づく「宇宙旅行」、人体にはどんな影響? 最新研究
- 宇宙放射線の被曝[5]Forbes:実現近づく「宇宙旅行」、人体にはどんな影響? 最新研究
- 長期間にわたり宇宙に滞在することは心身に悪影響をあたえることがある[6]WIRED:宇宙に長期滞在すると、脳は「長期寝たきり状態」と似た変化を起こす:研究結果
- 日本人だけが乗るとは限らないので英語力が必要
- STCAが滞在・生活する場所を宇宙船や宇宙空間に確保する必要がる
などが問題になりそうです。
この中でも、宇宙放射線の被曝は特に大きな問題です。
健康に悪影響を与える問題なので、この問題をクリアできないと宇宙船キャビンアテンダントは仕事としては成立しないかもしれません。
宇宙キャビンアテンダントの誕生はかなり先になりそう
ここまでの内容を確認すると、宇宙キャビンアテンダントの誕生はかなり先になりそうです。
もしかしたら、非現実的な職業で、未来になっても誕生しないこともありえます。
一定の危険があることを考えると、女性ではなくて男性の職業になるかもしれません。
飛行機に乗るのが危険だった時代、飛行機のCAも昔は男性にしかできない仕事でした[7]西日本アカデミー航空専門学校:そうだったのか!CAの歴史。
同じような歴史が繰り返される可能性だってあります。
引用・脚注
↑1 | BBC:スペースXの宇宙船、ISSにドッキング成功 米民間で史上初から、ISSに到着するまでの時間を参考。 |
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↑2 | ファン!ファン!JAXA!:6時間 or 2日間?! ソユーズ宇宙船の飛行時間のひみつ |
↑3 | ライフハッカーの記事によると、飛行機事故で死亡する確率は、1100万分の1。 |
↑4, ↑5 | Forbes:実現近づく「宇宙旅行」、人体にはどんな影響? 最新研究 |
↑6 | WIRED:宇宙に長期滞在すると、脳は「長期寝たきり状態」と似た変化を起こす:研究結果 |
↑7 | 西日本アカデミー航空専門学校:そうだったのか!CAの歴史 |
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