リスキリングとは?意味や注目されている理由をわかりやすく解説

この記事では、これからの時代に対応して生き残るために欠かせない
「リスキリング」
について説明します。

大きくは

  • リスキリングという言葉の意味
  • いまリスキリングが注目されている理由

この二つのテーマについて説明しますので、興味がある方はぜひ読んでください。

リスキリングとは?どんな意味なのか?

まずはじめに、リスキリングという言葉のざっくりとした意味を説明します。

リスキリングという言葉は、これまであまり使われなかった言葉です。
使われなかったので、ほとんどの人が意味を理解していないと思います。
けど、別に難しい言葉ではないので心配いりません。

リスキリングの意味がわからなくても
「スキル」
という言葉ならどうでしょう?

スキルなら日常生活やゲームで使っているので、みなさん馴染みがありますよね。
リスキリングとは、この「スキル」を身につけることです。

ですが、スキルを身につけることがすべてリスキリングと呼ばれる訳ではありません。

  • 転職活動など、仕事探しで役に立つスキル
  • いましている仕事の変化に対応するのに役に立つスキル

このような、仕事に関連するスキルを身につけることが
「リスキリング」
と呼ばれるのです。

なのでリスキリングとは
「今げんざい、またはこれからする仕事で役に立つ新しいスキルを身につけること」
こんな意味があると覚えれば、だいたいOKです。

リスキリングの細かい定義

おおまかには、リスキリングとは
「今げんざい、またはこれからする仕事で役に立つ新しいスキルを身につけること」
です。

ですが、いまのところ、ただ仕事で役立つスキルを身につけるだけではリスキリングと呼ばれません。
というのも、リスキリングと呼ぶには「ある条件」を満たす必要があるからです。
それは
「会社が従業員に対して行う再教育であること」
です。

なので、厳密に言えば
「会社が従業員に対して実施する教育プログラムなどを使い、今げんざい、またはこれからする仕事で役に立つ新しいスキルを身につけること」
これがリスキリングです。

サイト管理人 南研吾
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リスキリングは会社の都合で学び直すことになるので、スクール等にかかる学習費用は基本的には会社がすべて負担してくれます。

リスキリングの例を挙げると、たとえば

  • デパートで接客係として働いている人が、外国人観光客を接客するため、会社が指定する英会話教室で英会話を学ぶ
  • 事務員として働いている人が、会社のプログラマーの人手不足を理由に、会社が用意してくれたWEBスクールでプログラミングを学ぶ

このような学習はリスキリングと呼ばれます。

あとで説明しますが、いまリスキリングは世界中の企業から注目されています。
大企業もどんどんリスキリングを実施しており、有名どころだと、あのAmazonなんかは従業員に対してのリスキリングに一生懸命取り組む会社として知られています。
日本企業はちょうどいま(2021年)リスキリングへの興味が高まっている段階ですので、これからどんどんリスキリングが導入されるだろうと思います。

リスキリングと学び直し・リカレント教育との違い

次は補足として、近年になってこちらも注目されているリカレント教育、いわゆる学び直しとの違いについて説明します。

ただ結論を言うと、違いは

  • 個人が自分の意思で学ぶのがリカレント教育や学び直し
  • 勤務先の会社の都合で学ぶのがリスキリング

これくらいの違いしかありません。
どちらも
「スキルを身につけること」
という点は一緒です。
しいて言うなら、リカレント教育や学び直しの一種がリスキリング、という風に捉えることはできるかもしれません。

サイト管理人 南研吾
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リカレント教育や学び直しのうち、会社が主導するリカレント教育・学び直しをリスキリングと呼ぶ、という風な感じです。

このあたりの言葉はどれも新しい言葉だからなのか、フワッとしたイメージで使われることが多いです。
なので、もし友人や知り合いがリスキリングを

  • 学び直し
  • リカレント教育

などと同じ意味で使っていても、特に注意したりすることはしなくて良いと思います。

そもそも、人が何かを学ぶとき

「私がいまこれを学んでいるのは自分自身の意思で、仕事とはまったく関係ない」
「私はこのスキルを学ぶ気はないけど、会社から学べと言われたから学んでいる」

こんな風に、学ぶ理由をきっちり分けていることは少ないと思います。
だから、個人的にはリスキリングと学び直し・リカレント教育は細かく分ける必要はないと考えています。

サイト管理人 南研吾
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言葉は、時間の経過とともに言葉の意味や使い方が変わることがよくあります。
なので本当に気にする必要はないと思います。

今なぜリスキリングが注目されているのか?

最後に、なぜ最近になってリスキリングが注目されるようになったかを解説します。

ざっくりとでいえば
「会社も人も、変化に対応するためリスキリングしないと生き残れないから」
これがリスキリングが注目されるようになった理由です。

大事な部分なので説明が少し長くなりますが、リスキリングが注目される理由について詳しく説明します。

DXの進行とスピードアップ

リスキリングが注目される理由を説明するまえに、注目されるようになった背景を説明します。
いまリスキリングが注目されている背景にあるのは
「DXの進行と、進行スピードのアップ」
です。

サイト管理人 南研吾
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DXは「デジタル・トランスフォーメーション」と読みます。
この言葉がどんな意味なのかはこれから説明します。

インターネットによるDXの進行

ここで質問です。
みなさんはインターネットが使えない生活を想像できますか?
おそらく、若い人にとってはネットがない生活というか社会は考えられないと思います。

正直なところ、私たちの社会はもうネット無しには成立しません。
インターネット(とネットを活用した人工知能などのテクノロジー)はあまりにも便利なので、いま社会の隅々にまでネットが浸透し、世界全体でデジタル化が進行しています。
そして、このような変化は
「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」
と呼ばれています。

サイト管理人 南研吾
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DXは英語の「Digital Transformation」の頭文字を取ったもので、日本語だと「デジタルによる構造変化」のような意味になります。

DXが起こした変化の事例の事例をいくつか紹介します。

  • お店での買い物する人が減り、ネット通販でショッピングする人が増えた
  • 買い物で現金支払いする人が減り、タッチレスのキャッシュレス決済を利用する人が増えた
  • 遠い場所にいる家族と電話する人が減り、ZOOMを使って動画で会話する人が増えた

みなさんも、このような変化を経験していませんか?
こんな風に、生活のなかでインターネットを利用する機会が世界中の人のあいだで増えているのです。

新型コロナでDXの進行スピードがアップ

インターネットが登場してから、DXはかなり早いスピードで進行していました。
そんなDXの進行を猛烈にスピードアップさせる出来事が2020年に起きたのです。
みなさんご存知の、新型コロナウイルスです。

新型コロナによって「タッチレス」がキーワードになり、さまざまな物事のデジタル化が進みました。
日本でも

  • リモートワーク
  • キャッシュレス決済

などが急に浸透したのは記憶に新しいですね。
もちろん、これらもDXのなかのひとつだと考えられます。

DXが私たちの生活に浸透したということは、私たちにモノやサービスを提供する企業のあいだでもDXが重要なテーマになったことを意味します。

新型コロナの前から
「DXへの対応は、これからのビジネスで重要になる」
こんな風に言われていました。

けれど、新型コロナによって
「DXはこれから重要だ」
ではなく
「DXいま重要なのだ」
という風に変化したのです。
「これから」の話が「いま」の話になったのですね。

DXに対応する手段となるリスキリング

新型コロナによってDXが急加速し、企業はDXに対応しなくてはいけなくなりました。
そして、DXに対応する方法として注目されているのが
「リスキリング」
です。

DXに対応しないと時代に取り残される

2020年に加速したDXはとても大きな変化です。
なので、変化についていけない会社や人は時代に取り残されます。

過去、DXと同じくらい大きな変化を

  • インターネット
  • スマートフォン

などのサービスやモノが起こしました。
そして、これらが起こす変化に対応できた企業は大儲けしました。
その逆で、変化に対応できなかった企業は業績が急に悪化したり、倒産したりました。

DXにより、いま世界中でネットやスマホが登場したときのようなことが起きているのです。
だから、企業はDXに対応しなくてはいけません。

DXに役立つデジタル系スキルを持つ人は少ない

企業はDXに対応しなくては生き残れません。
しかし、社内にDXに対応するために必要なデジタル系の知識、たとえば

  • AI開発
  • データサイエンス

などの知識を持つ人材を抱えている会社はあまり多くありません。

でもこれらのような、DXへの対応に必要な知識を持つ人を外部から採用するのは大変です。
なぜなら、このような「DX人材」と呼ばれる人たちは多くの大企業から引く手あまただからです。
給料も高いし、中小企業ではなかなか採用できないのが現実です。

じゃあどうしたらいいのでしょうか?
ここで、DXへの取り組みを急いでいる企業は結論を出します。
「今いる社員にデジタル知識を学んでもらい、デジタル系人材になってもらおう」
つまり、社員をリスキリングしてDXに対応しようとしているのです。

もしリスキリングに失敗したらDXへの対応も難しくなります。
DXに対応できないと、企業として他社との競争に負ける確率が高くなります。

だから、いまリスキリングがとても注目されているのです。

リスキリングは生き残るために必要

ここまで

  • リスキリングという言葉の意味
  • いまリスキリングが注目されている理由

などを説明しました。

記事を読んで下さった方の中には
「勉強が大変そうな、難しいスキルを身につけたくない。もっと楽な仕事をするからいい」
と思う方もいると思います。
けど残念なことに、高いスキルが必要では無い、簡単な仕事はこの世界から減りつつあります。

マイクロソフトは単純作業とそうでない仕事の割合の変化をグラフで発表しています。
下のグラフはマイクロソフトが発表したグラフです。

これまでどんな仕事が減ったかについてのデータ

これまでどんな仕事が減ったかについてのデータ マイクロソフトのサイトから引用

グラフは2色に分かれていますが、それぞれ

  • 水色の線は単純作業ではない仕事の数
  • オレンジ色の線は単純作業の仕事の数

の推移を表しています。

2000年頃から単純作業ではない仕事の方が多くなり、2000年以降その差は開く一方です。
なので、もし単純作業の仕事につけたとしても、その仕事はなくなる可能性が高いです。
それに、単純な仕事では満足な収入を得られません。
金銭的に豊かで安定した生活をしたいなら、専門的なスキルを身につけることが近道なのです。

説明したように、リスキリングとは
「会社が従業員に対して実施する教育プログラムなどを使い、今げんざい、またはこれからする仕事で役に立つ新しいスキルを身につけること」
という意味です。

しかし

  • キャリアアップのため転職を繰り返す人
  • 独立してフリーランスで働く人
  • 定年後も自立して働く人

などが増えているいま、所属する企業が実施するリスキリングに頼っていては生きていけません。
もしこれから生き残っていきたいなら、自分でリスキリングすべきです。

個人的にはリスキリングで高い専門スキルを身に付けることが、生き残るための近道だと思います。
ぜひみなさんもチャンスがあればリスキリングに取り組んでください。

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