【研究結果】言語能力は数学力よりもプログラミングスキル習得に影響を与える

ITやネット業界でプログラマーやエンジニアとして働く人には理系が多い、というイメージがあります。

じっさいはそんなことは無く、文系の人もたくさん働いています。
けど、理系が多いというイメージのせいで
「私は文系だからIT・ネット系の仕事は無理・・・」
と思っている人(特に女性)は多いと思います。

そんな人に知って欲しいのが
「プログラミングのスキル習得に影響が大きいのは数学力よりも言語力!」
という研究結果です。
文系の人にとってはかなり心強いデータだと思うので、研究を簡単に紹介します。

ワシントン大学の研究内容

紹介する研究はアメリカのワシントン大学のものです[1]nature :Relating Natural Language Aptitude to Individual Differences in Learning Programming Languages

アメリカも日本と同じでプログラマー不足が叫ばれています。
そんな中
「プログラミング言語の習得は第二外国語の習得と同じことでは?」
という研究者の疑問がこの研究のきっかけになったようです。

研究では、18歳~35歳のプログラミング経験がない若者36人(うち女性は21人。すべて英語のネイティブスピーカー)を被験者として行われました。

まず被験者の

  • 備わっている基礎能力(言語能力・計算能力・流動性知能・ワーキングメモリ)
  • リラックスできるしている時の脳波

などを測定します。

サイト管理人 南研吾
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能力はともかくなぜ脳波?と思うのは当然です。
脳波を測定したのは、被験者たちの脳波が第二外国語が得意な人の脳波パターンに該当するかどうかを調べるためです。

能力や脳波を測定したら、次はプログラミングの学習です。
被験者にはPython(パイソン)というプログラミング言語を学習(45分×10回のオンライン学習)してもらいます。

サイト管理人 南研吾
サイト管理人 南研吾
Pythonは初心者でも比較的学びやすくて、なおかつ人工知能やデータ分析の分野で使える言語してここ数年とても人気が高い言語です。

最後に被験者ごとのプログラミングの習得度をテストします。
これによって、事前に測定したどのスキル(と脳波)がプログラミング習得度に影響を与えたのか調べた、ということですね。

テストの結果、プログラミングをより早く、より正確に習得した人は言語能力が優れている傾向があることがわかりました。
数学力よりは言語能力の高さの方がプログラミングの習得度に強い影響があったのです。

この研究の著者のひとりであるシャンテルS.プラット氏は以下のように語っています。
「私たちの研究データからはプログラミングが数学力に依存しているというデータは生まれていない[2]SCITECHDAILY:You May Be Better at Learning to Code Than You Think – Even if You’re Not a “Math Person”

なぜ言語能力がプログラミングの習得に大きな影響を与えるのか?

なぜ言語能力が高い人がプログラミング学習が得意なのかも研究者は言及してくれています。

研究者によると、プログラミングも私たちが使う言葉も

  • あらかじめ文法という法則が決められている
  • 文法にしたがい単語をつなぎ合わせて意味のある塊を作り出す

という点で同じだから関連性があるのでは?とのことです。

文系だからプログラミングが得意かもしれない

研究結果から
「文系だからプログラミングが苦手・・・」
ではなくて
「文系だからプログラミングが得意!」
が考え方として正しい可能性があることがわかったと思います。

これまで「文系だから・・・」を理由にプログラミングなどを避けていた人は意外と適性があるかもしれません。
いまどきのプログラミングスクールは無料体験等も実施しているので、まずは試しにトライしてみてください。

それにイメージと違い、プログラマーなどのIT系の仕事もコミュニケーション能力や協調性が求められます。
なので、もし同僚よりもプログラミング系などのスキルが劣っていても、コミュニケーション能力などのソフトスキルで足りないスキルを補うことは可能です。

もしIT系の仕事に興味があれば
「文系だから苦手」
とは思わず、ぜひ挑戦してみてください。

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