ジョブ型雇用が導入されたらどんな職業・職種がお金を稼げるのか?

会社員が高収入を得るには、どんな方法がありますか?
浮かぶのは

  • 大企業に入る
  • 有望なスタートアップで働く

こんなところですよね。
確実に高収入を得るためには、給料が高い会社に入社するのが近道です。

けれど、もし日本でジョブ型雇用が浸透したら、これらの方法で高い給料をもらえるとは限りません。
なぜなら、ジョブ型雇用では働く人は「スキル」で評価されるからです。
入る会社ではなく、どんなスキルでどんなジョブ(仕事)をするか?で給料が決まります。
ジョブ型雇用だと大企業に入ったとしても高収入は保証されません。
仕事自体が低賃金の仕事なら、入る会社に関係なく年収も低くなるからです。
これまでとはルールが変わるのですね。

ジョブ型雇用では、どんなスキルがあれば高収入を得られるのでしょうか?
この記事では
「ジョブ型雇用でお金が稼げるスキル」
を知るために、高収入の職種をランキング形式で紹介します。

高く評価されるスキルを知っていれば、それを学んで未来に備えられます。
正直なところ日本でジョブ型雇用が浸透するかどうかは、わかりません。
それでも

  • 在宅でのリモート勤務の増加
  • 崩壊しつつある終身雇用制

など、ジョブ型雇用の足音が近づいているのをみなさん感じているはずです。
いまのうちから行動すれば、明るい未来が待っているかもしれません。

ジョブ型雇用でお金が稼げる職種ランキング

早速ですが、ランキングを発表します。
ランキングを紹介したあとに、上位にランクインした職種の情報を補足する、という流れになります。

ただ、残念ですが日本ではジョブ型雇用の実績がありません[1]ジョブ型雇用を導入しはじめている会社はありますが、まだデータで確認できるほどではありません。
データもないので、日本の職種では年収ランキングが作れません。
よって、世界で最もジョブ型雇用が浸透しているであろうアメリカのデータを使ってランキングを作成します。

日本とアメリカでは国民の平均年収がちがいます。

  • アメリカは568万円(2018年の統計)[2]Social Security:National Average Wage Index
  • 日本は440万円(2019年の統計)[3]国税庁:平成30年分民間給与実態統計調査結果について

日本よりアメリカの方が1.3倍くらい平均年収が高いですね。
だから、同じ職業でも日本の場合はすこし年収がさがるはずです。
これをふまえて、ランキングを見てみましょう。
ランキングは25位まで作成しました。

 順位 職種年収
1位麻酔科医261,730ドル(約2,800万円)
2位外科医(眼科をのぞく)252,040ドル(約2,698万円)
3位口腔外科位237,570ドル(約2,541万円)
4位産婦人科医233,610ドル(約2,499万円)
5位矯正歯科医230,830ドル(約2,469万円)
6位補綴専門医220,840ドル(約2,362万円)
7位精神科医220,430ドル(約2,358万円)
8位開業医213,270ドル(約2,281万円)
9位その他の医師203,450ドル(約2,176万円)
10位一般内科医201,440ドル(約2,155万円)
11位最高経営責任者193,850ドル(約2,074万円)
12位一般小児科医184,410ドル(約1,973万円)
13位一般歯科医183,060ドル(約1,958万円)
14位麻酔専門看護師181,040ドル(約1,937万円)
15位航空会社のパイロット、副操縦士、飛行エンジニア174,870ドル(約1,871万円)
16位ペトロリアム・エンジニア(石油エンジニア)156,780ドル(約1,677万円)
17位コンピュータおよび情報システムマネージャー156,390ドル(約1,673万円)
18位建築およびエンジニアリングマネージャー152,930ドル(約1,636万円)
19位マーケティングマネージャー149,200ドル(約1,596万円)
20位財務マネージャー147,530ドル(約1,578万円)
21位自然科学マネージャー145,450ドル(約1,556万円)
22位弁護士145,300ドル(約1,554万円)
23位足の専門医142,680ドル(約1,526万円)
24位広告宣伝マネージャー141,890ドル(約1,518万円)
25位セールスマネージャー141,690ドル(約1,516万円)

高収入の職種の傾向解説

ランキングをみると、ジョブ型雇用ではどんな職種が高収入か一目瞭然ですね。
25個の職種のうち、14個は医師をはじめとした医療関係の仕事です。
つまり、ジョブ型雇用が採用された社会では、医師などの医療に関わるスキルを持つ人は高確率で高収入になれます。
社会にとって必要な仕事で、なおかつ高度で専門的な知識が必要なので当然とも言えます。

サイト管理人 南研吾
サイト管理人 南研吾
世界経済フォーラムは「仕事の未来レポート2020」で2025年までに需要が高くなる仕事として医療などのケアエコノミーに関わる職業を挙げています。
医療関係者が給料が高い理由のひとつは「高い需要」かもしれません。

このランキングを見て
「じゃあこれから医師になろう!」
とみなさん思いますか?
思いませんよね。
大学を卒用して働きはじめている社会人がこれから医者を目指すのは、なかなか難しいです。
医師になるために

  • 試験の合格が難しい医大に入学するために勉強する
  • 学費がトータルで数千万円かかる医大に入学する
  • 最低でも6年間医大で勉強し医師免許を取得する

などを実行するのは、普通のサラリーマンにはほぼ不可能ですよ。

同じような理由でランクインした

  • 弁護士
  • 航空会社のパイロット
  • 自然科学マネージャー

などの職種も、高収入を得るためにリスキリング等をして転職する職種としては非現実的です。

もし社会人がジョブ型雇用の到来に備えるなら、これらの職種以外の職種=スキルが狙い目、ということになります。

「お金」に関わる職種は高収入

さきほど見たランキングの表から、医療系の仕事やパイロットなどの特殊な仕事を削除してみましょう。
※11位にはいった「最高経営責任者(CEO)」もいわゆる「社長」なので削除します

順位

職種

年収

17位

コンピュータおよび情報システムマネージャー156,390ドル(約1,673万円)

19位

マーケティングマネージャー149,200ドル(約1,596万円)

20位

財務マネージャー147,530ドル(約1,578万円)

24位

広告宣伝マネージャー141,890ドル(約1,518万円)

25位

セールスマネージャー141,690ドル(約1,516万円)

仮に、あなたが

  • 4年生の私大卒
  • 専攻は文系

だとしたら、現実的に考えて目指すのはこれらの職種となりそうです。

ここで質問です。

  • マーケティングマネージャー
  • 財務マネージャー
  • 広告宣伝マネージャー
  • セールスマネージャー

この4つの職種の共通点は何でしょう?

答えを言うと、4つに共通するのは「お金」をあつかう、ということです。

お金と積極的に関わる仕事が高収入への近道

4つの仕事は、すべてお金との結びつきが強い仕事です。

マーケティングは顧客のニーズをくみとり、売れやすい商品やサービスを考える仕事です。
財務はお金を管理し、必要に応じて借入などの資金調達をする仕事です。
広告宣伝とは消費者に訴求することにより、売り上げを増やす仕事です。
セールスマネージャーとは、モノやサービスを販売する仕事です。

もし高収入が欲しいなら、お金と積極的に関わらなくてはいけないということかもしれません。

ジョブ型雇用では戦略的にスキルを学ぶことが大事

ここまでの内容を整理します。
ジョブ型雇用が浸透した社会においては

  • 人の命や健康
  • お金

に関わる仕事が高収入になりやすいです。

そして、社会人や大学生の就職先として現実的なのは「お金」に関わる職種のほうです。
もし転職などで収入をアップさせたいなら、

  • マーケティングマネージャー
  • 財務マネージャー
  • 広告宣伝マネージャー
  • セールスマネージャー

などの職業が狙い目、ということですね。
なので、スキルに関してもお金に直接的に関わるスキルを学ぶことが収入アップにつながりそうです。
具体的なスキルの例を挙げると

  • 経済
  • 会計
  • 税務
  • 営業(セールス)
  • マーケティング・デジタルマーケティング

などの分野での高度なスキルや経験があると高収入になれるかもしれません。

けれど、このような傾向がいつまで続くかはわかりません。
どんな職業も需要と供給のバランスで高給になるか決まるからです。

結局のところ、ジョブ型雇用が浸透した社会では
「次はどんなスキル(職種)が稼げるか?」
この問題を常に考え、スキル獲得のために戦略的に学習したり経験を積むことが大事なのです。

引用・脚注

引用・脚注
1 ジョブ型雇用を導入しはじめている会社はありますが、まだデータで確認できるほどではありません。
2 Social Security:National Average Wage Index
3 国税庁:平成30年分民間給与実態統計調査結果について

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