「AIがあなたの代わりにアンケートに回答し、お金を稼いでくれる」
なんて聞くと、すこし怖いですよね。
けれど、AI(人工知能)の進歩はとても早いです。
まだまだ先のことでしょうが、人の代わりにAIがモニターになり、アンケートに回答するような技術の開発も進んでいます。
それでも、知っておきたい事実があります。
それは
「AIアンケートモニターは人の仕事を奪わない」
ということです。
AIアンケートモニターが普及したとしても、主役は人です。
人がいてこそ、AIアンケートモニターが働けるのです。
この記事では、近い将来に登場するであろうAIアンケートモニターについて
- 仕組み
- 利用の流れ
- アンケートモニターになる方法
を解説します。
記事を読めば、AIアンケートモニターが人の仕事を奪わない理由がわかるはずです。
AIアンケートモニターは「人の分身AI」
AIアンケートモニターの仕組みを説明するまえに、AIアンケートモニターを企画・開発している企業を紹介します。
AIアンケートモニターは
この2つの会社によって企画・開発されています。
オルツがAIの部分、モニタスがアンケートモニターの部分を担当しています。
この記事も、おもに2社がリリースした情報等を参考にして書いています。
AIアンケートモニターの仕組みの説明にうつりますね。
仕組みといっても、知っておきたいのは一つだけです。
AIアンケートモニターは「人」のデータを参考にして作られる、ということです。
AIアンケートモニターは個人個人のデータ(アンケートの回答など)を分析し
「この人ならこういう回答をするだろう」
という傾向を学びます。
そして、企業からアンケートの依頼を受けたら「特定の人」になりきり、アンケートに回答する仕組みです。
一言でいえば、人の分身としてAIが作られるイメージですね。
あなたの代わりに、AIがあなたになりきってアンケートに回答してくれるのです。
これだと「仕事を奪う」というよりは、忙しい人の代わりに仕事をしてくれるイメージングの方が正しいですよね?
AIアンケートモニターのおかげで、人はスマホやパソコンで毎日サイトにログインし、ポチポチと回答しなくても良くなるのです。
AIアンケートモニターの利用の流れ
かなりざっくりとして説明でしたが、AIアンケートモニターのイメージがつかめたと思います。
つぎは
- AIアンケートモニター
- 普通のアンケートモニター
このふたつを比較しながら
- 会員登録の方法
- アンケートに回答する方法
- 報酬としてお金を受け取る方法
などを説明します。
これまでのアンケートモニターとの違いを知り、AIアンケートモニターへの理解を深めましょう。
会員登録とデータの登録
AIアンケートモニターも普通のアンケートモニターと同じで、サイト等への会員登録からはじまります。
もちろん無料で登録できます。
会員登録したら、プロフィールなどの情報を登録します。
ただ、AIアンケートモニターは登録できる情報が多くなるはずです。
これはすでに説明したように、AIが個人になりきるためには「データ」が必要だからです。
では、AIはどのようなデータを学習して人になりきるのでしょうか。
日経新聞が報道したAIアンケートモニターに関する記事では
オルツが開発した「ナルティテュード」は、過去のアンケート回答やオンライン上での行動歴などを学習して「AIモニター」を生成する。
同社のAI技術「パーソナル・アーティフィシャル・インテリジェンス(P.A.I.)」は、ある特定の個人について、SNSでの投稿やメールの送受信履歴などを学習。データをもとに個人の意思を反映した「クローン」をデジタル作製しようとしている。
このように、オルツのAIを紹介しています。
これが事実なら、AIはAIアンケートモニターになりたい人の
- 過去のアンケート回答
- SNSでの投稿履歴
- メールの送受信履歴
などのデータを分析に使うのでしょう。
もちろん無断だったり強制的にデータをつかうこと無いはずです。
なので、利用する人は
「この情報(データ)ならいいか」
と思える範囲で利用を許可すればいいだけです。
ただ、注意したいことがあります。
どんな優れたAIでも、学習するデータの量が少ないと「その人」になりきれません。
学習するデータがないAIは、燃料が入っていない車のようなものなのです。
データがなかったらどんなに性能が良くても能力は発揮できません。
だから、データが少ない場合はアンケートに回答したりして、データを増やさないといけません。
データがないと、特定に個人の分身として回答できるAIは作れない、ということを覚えておいてください。
アンケートに回答する方法
つぎは、アンケートに回答する方法についてです。
といっても、ここではあまり説明することはありません。
AIアンケートモニターが人の代わりにアンケートに回答してくれるからです。
ただ、アンケートモニターにも種類があり、なかにはAIには向かないアンケートもあります。
代表的なものは
- 食べ物の試食や商品を使ってみた感想
- 座談会
などです。
いくらAIが優れているといっても、これらの内容を「誰か」になりきって回答するのは難しいです。
だから、これらのアンケートはこれまで通り人が回答することになるはずです。
報酬としてお金を受け取る方法
利用の流れの、最後は気になるであろう「お金」についてです。
お金を受け取る方法については、これまでのアンケートモニターと変わりません。
プロフィール画面などから振り込みさきの口座番号などを入力し、振り込みを待つだけです。
報酬金額は普通のアンケートモニターよりも減るかも?
報酬についての情報を補足させてください。
まだ先のことなのでAIアンケートモニターの報酬金額は不明です。
それでも、ふつうのアンケートモニターでもらえる報酬よりも、金額がすこし減る可能性が高いです。
金額が減る理由としては
- AIが人へのアンケートを完璧に再現できる訳ではない
- AIの開発や運営の費用がかかっている
などがあります。
そもそも、企業が個人にアンケートを依頼するのは調査のためです。
いくらAIが優れているとはいえ、完璧に個人の思考を再現してアンケートに回答するのは難しいです。
そのため、企業は
- 人のアンケートモニター
- 人を模倣したAIアンケートモニター
このふたつの比較では、「人のアンケートモニター」の方に高いお金を払うのではないかと思います。
もうひとつの理由はAIの開発や運営の費用の問題です。
これに関してはAIアンケートモニターを募集している企業側の問題です。
みんなに利用されるAIは、検索エンジン・エクセルなどのサービスと同じで、つねにバージョンアップします。
AIをバージョンアップさせるのは人です。
人が働くと人件費がかかります。
となると
- 人のアンケートモニター
- 人を模倣したAIアンケートモニター
このふたつでは、「人を模倣したAIアンケートモニター」の方がより多くの費用がかかります。
以上のふたつの理由から、AIアンケートモニターでは個人は普通のアンケートモニターよりは報酬が低くなります。
とはいえAIアンケートモニターの場合、人はアンケートに回答しなくて済みます。
報酬の低さを補うだけのメリットはあるはずです。
AIアンケートモニターになるには?
最後は「AIアンケートモニターになる方法」について説明します。
方法と言っても、じつは選択肢はほとんどありません。
前半部分で紹介した
- 株式会社オルツ
- 株式会社モニタス
このふたつの会社が共同でおこなう実証実験に参加する。
これがAIアンケートモニターになる方法です。
ふたたび日経新聞の記事を引用します。
実証実験では、まずモニタスに所属する人のモニター100~1万人程度にAIモニターを作る許可を取る。その後、生成したAIモニターと人の意見が一致しているかを調査。AIモニターが人の意思を正しく反映できていることが確認できれば、アンケートの作業をAIモニターに任せられるようになる。企業が実施するアンケートを請け負いながら、AIモニターを生成する数拡大する計画だ。
この記事によると、実証実験に参加するためには株式会社モニタスが運営するアンケートサービス「Qzoo(キューズー)」への登録が必要になりそうです。
そして会員のなかの
「100~1万人程度」
に入らなくては実証実験に参加できません。
どのような基準で選ばれるかは確認できていません。
もしAIアンケートモニターの実証実験に参加したいなら、Qzooに登録し、実証実験についてのアナウンス等を待つしか方法はなさそうです。
AIアンケートモニターは人の代わりに働いてくれる
ここまで、AIアンケートモニターについて
- 概要
- 利用の流れ
- AIアンケートモニターになる方法
などを説明しました。
AIアンケートモニターは人の仕事を奪う訳ではない、これがわかったと思います。
AIは単純な作業が得意です。
AIは人と違って作業に飽きないし、食べたり寝たりする必要がありません。
だから、人よりもたくさんの作業ができます。
アンケートでも同じです。
もしAIアンケートモニターが登場したら、人が遊んだり寝ているあいだに単純なアンケートに回答してお金を稼いでくれます。
そうすれば人は簡単なアンケートをAIにまかし、人にしかできないアンケートに集中できます。
アンケートでも、人にしかできない座談会などの案件の方が高単価なので、収入アップにつながるはずです。
アンケートモニターでも、AIを上手につかう人がより多くのお金を稼ぐ。
こんな時代が近づきつつあるのです。
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