学び直しは大事だと思っていても、学び直しにかかるお金や時間のことを考えるとおっくうになりますよね。
けれど、社会人として働く大人の学び直しには色々なメリットがあります。
この記事では働く大人が学び直すことの価値やメリットをデータを使いながら紹介します。
学ぶだけで同僚と差別化ができる
社会にでて働く大人が何かを勉強するのはとても大変です。
けれど、ただ学ぶだけで会社の同僚や他の社会人と差別化ができる、というデータがあります。
意外と勉強していない日本人
仕事をするにあたって、知識・スキルはとても大事です。
とくにオフィスワーカーの場合、頭のなかにある知識の質と量によって生産性が大きく変わります。
生産性が高ければ残業や休日出勤が減ったり、会社内での評価が高くなるはずです。
けれど、日本で働いている人のなかで学び直しをしている人の割合はかなり少ない、というデータがあります。
日本人には勤勉なイメージがありますよね?
このイメージとは違い、働いている人の中で過去一年間のあいだに学び直しをしている人は全体の13.1%しかいません[1]内閣府:リカレント教育による人的資本投資に関する分析。
ちなみにOECD加盟国の平均は16.6%で、スイスが最も高くて29.7%となっています。
会社による教育・訓練に期待しすぎるのは危険
仕事をしている日本人の多くは学び直しをしていません。
これは日本の会社ではたらく人は残業などで忙しく、仕事が終わったあとに学び直しの時間を作るのが難しいからかもしれません。
とくに、共働きで小さいお子さんがいる家庭では帰宅してから勉強するのはかなり難しいと思います。
では1日の大半を過ごす場所である会社は研修や資格学習など、学びを支援してくれるのでしょうか。
従業員の学び直しに対する会社からのサポート状況のデータを見ると、お金をかけて社員教育を実施している会社は57.5%ほどです。
半分よりも少し多いくらいの割合ですね。
けれど、会社による教育訓練費はどんどん下がっているというデータもあります。
教育訓練費が下がっているということは、会社が社員にたいして質の高い教育をあたえる機会が減っている、ということです。
だから、会社員は企業に期待しすぎるのは良くありません。
勉強するだけで「違い」をつくれる
日本の将来のことを考えると
- 大人はあまり勉強してない
- 会社が社員に実施する教育訓練費は下がる傾向にある
というデータを見ると強い不安を感じます。
けど、この状況を前向きにとらえることもできます。
大人の場合、ただ勉強するだけで他の人との差別化ができる、と考えられます。
もし大人がみんなハードに勉強するような国に産まれたら、みんながみんな努力しています。
こういう環境だと、持って産まれた才能や工夫以外で差別化するのが難しくなります。
けど、みんなが勉強しない国ならきちんと勉強するだけで差別化ができ、仕事において実績を積み上げやすくなるのです。
要は勉強するだけで
「違いをつくれる」
のです。
学び直すと収入が増える確率がアップ
(真剣に)学び直すと新しい知識が増え、勉強していない人との差別化ができます。
けれど、知識があるからといってそれが仕事で役立つとはかぎりません。
知識が2倍になれば仕事の生産性が2倍になる、というものではありませんよね。
では、学び直すことによって知識が増えると仕事や生活にどんな影響があるのでしょうか?
OJT・Off-JTは収入アップに効果的
内閣府がおこなった
リカレント教育による人的資本投資に関する分析
という調査では学び直しが収入に与える影響について言及されています。
この調査では
- 学びなおしをした人
- 学び直しをしていない人
この両方を比べると、学び直しをした人の方が高確率で収入が1割以上アップしていたことがわかりました。
つまり、学び直しをした人の方が収入が上がりやすいのです。
学び直しには色々な方法がありますが、なかでも
- OJT
- Off-JT
などで学び直すと収入の増加確率が13%以上アップしています。
内閣の調査において、OJTやOff-JTにはどんな勉強方法が含まれているかは下の図で確認してください。
使った時間とお金は無駄にならない
自分で学び直すと、時間だけでなくお金もかかります。
誰にも強制されないて自主的に勉強するのは大変ですし、モチベーションを維持するのも大変です。
学び直しに時間を使うことにより、家族や周囲に負担をかけてしまうかもしれません。
けれど、仮に年収400万円の人の年収が1割増えれば年収は440万円になり、40万円も増えることになります。
もしあなたが年収アップを希望しているのなら、その確率を上げるために学び直す、というのとても良い選択だと思います。
収入アップの確率がこれだけ上がるということは、学び直しは仕事っぷりにもきっと良い影響を与えるのでしょう。
学び直しによって仕事っぷりが良くなったり収入アップの確率が上がるのなら、家族や周囲の方たちも反対しないはずです。
転職によって収入が上がる確率も向上
ここまで、学び直しについて
- 勉強していない人との差別化ができる
- 収入が増える確率がアップ
このふたつの効果があると説明してきました。
最後にもうひとつ、社会人として働く人にとって嬉しい効果を紹介します。
学び直しをすると
「転職によって収入アップの確率が上がる」
というメリットがあります。
下のグラフを見てください。
このグラフは学び直しが、転職した際の収入アップに与える影響を数値化したものです。
公的職業訓練以外は転職した時の収入増によい影響を与えることがわかっています。
とくに
- Off-JT
- 自己啓発
- 主業以外の職業経験等
などは影響が強いので、近い将来収入アップを目的に転職活動をする予定なら、学び直しにはこれらを選択するのがおすすめです。
また、ここでは詳しく紹介しませんが、学び直しには
- 転職が成功する確率が上がる
- 希望する仕事に転職できる確率が上がる
などのメリットがあることがわかっています[2]内閣府:社会人の学び直し(リカレント教育)とキャリア・アップ。
つまり、学び直しは転職する人にとってはメリットだらけなのです。
「変化に対応したい」なら学び直しがおすすめ
ここまで説明したように、学び直しにはたくさんのメリットがあります。
けれど学び直しの最大のメリットはおそらく
「(学ぶことによって)変化に対応できる」
だと思います。
今は昔よりも変化が激しく、変化のスピードは早くなる一方です。
人気のある高収入の職業がロボットやAIによって仕事を奪われ、職業が無くなることもありえます。
けれど、習慣的に学び直している人は新しい事を学んで時代に合った知識を身につけることができます。
学び直しの習慣さえあれば、変化を過剰に恐れずにすみます。
むしろ、新しいチャンスが生まれるので変化を歓迎できるようになるかもしれません。
引用・脚注
↑1 | 内閣府:リカレント教育による人的資本投資に関する分析 |
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↑2 | 内閣府:社会人の学び直し(リカレント教育)とキャリア・アップ |
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