子をもつ親ならみんな、自分の子供には
「社会の一員として普通に暮らして欲しい」
と思うものです。
東大に入ったり、経営者になって大成功しなくてもいい。
ずば抜けなくてもいいから普通の生活を送って欲しい、と思うものです。
もし子供に「普通」であることを期待するならプログラミング教育がおすすめです。
というのも社会で暮らしていくうえで重要な能力である
「非認知能力(ひにんちのうりょく)」
がプログラミングを学ぶことによって育つからです。
この記事では
- 非認知能力とは何か?
- 非認知能力が高いと将来どんなメリットがあるのか?
- なぜプログラミング教育が非認知能力を上げるのか?
などを説明します。
3歳から6歳の幼児や小学生の子供をプログラミング教室に通わせるべきか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
非認知能力はどんな力?
まずは「非認知能力(ひにんちのうりょく)」について簡単に説明します。
いまこの記事を読んで下さっているお父さん・お母さんは学生時代を思い出してください。
通っていた小学校には通知表があったはずです。
通知表の中身は
- 「成績」に関するもの
- 「学校での生活」に関するもの
こんな感じで、大きく2つの項目で分かれていませんでしたか?
非認知能力とはこのふたつの項目のうち「学校での生活」の方で評価される能力のことです。
たとえば
- 物事をやり抜く力
- 冷静かつ客観的に物事を判断する力
などが代表的な非認知能力です。
「やり抜く力」や「冷静に判断する力」はどんな時代、どんな人にとっても大事なものですよね。
けれど、これらの能力は算数や国語の学力テストの結果みたいに数字で表現できません。
見えにくい。
わかりにくい。
だけど人にとって大事な能力、これが非認知能力なのです。
非認知能力が高い子供は将来どんな風に成長する?
非認知能力というものがあり、これはなんとなく大事そうだな、ということがわかったと思います。
次は
「非認知能力が高い子供は将来どんな風に成長する?」
子供がいる親御さんが気になるであろう、これをテーマにして説明します。
非認知能力が高い子供は将来どんな人生を送るのか。
これを数十年間にわたり調査した「ペリー・プレスクール・プロジェクト」というアメリカの実験があります。
簡単にいうと3歳から4歳の子供たちを
- 質の高い教育によって非認知能力が上がったグループ
- 非認知能力が高くないグループ
この2つに分け、その後どんな人生を送るのかを追跡調査して比較する、というものです。
この大変な実験の結果、わかったことがあります。
それは非認知能力が高い子供は
- 偏差値の高い大学に進学できる確率が高い
- 社会で大成功する確率が高い
というような、わかりやすいものでも派手なものではありません。
わかったことは非認知能力が高い子供のほうが「普通の暮らし」ができている確率が高い、ということです。
「普通の暮らし」とはどんなことでしょうか。
いくつか紹介します。
- 6歳時点でIQが90以上ある確率が高い
- 19歳時点で留年している確率が低い
- 19歳時点で高校を卒業している確率が高い
- 27歳時点で持ち家を所有している確率が高い
- 27歳時点で過去10年間のあいだで生活保護を申請している確率が低い
- 40歳時点で働いている確率が高い
- 40歳時点で5回以上逮捕されている確率が低い
どうでしょう。
IQや持ち家についてはともかくとして、ほかの物事は親御さんが自分の子供に期待する「普通の暮らし」ではありませんか?
もし子供のうちから非認知能力が高いと「普通の暮らし」ができる確率が上がるのです。
なぜプログラミング教育が非認知能力を高くする?
ペリー・プレスクール・プロジェクトの実験結果によって、非認知能力が高いと普通の生活ができる確率が高いことがわかりましたね。
けれど、この実験によって他にもわかったことがあります。
そのうちの1つは
「非認知能力は教育によって上げられる」
ということです。
質の高い教育を子供に受けさせれば、非認知能力はアップするのです。
つまり親の頑張りで子供の非認知能力は高くなるのです。
じゃあ子供にどんな教育を受けさせたら良いのでしょうか。
ペリー・プレスクール・プロジェクトでは教育の専門家が子供たちに質の高い教育をあたえ、非認知能力を伸ばしました。
専門家のマネをすることは親御さんには難しいです。
けれど、どんな親御さんにもできることがあります。
それは
「子供にプログラミング教育を受けさせること」
です。
日本では2020年から小学校でプログラミング教育が必修化されています。
必修化のねらいは
「プログラミング的思考」
を身につけること、とされています。
プログラミングができるようになって欲しい、というよりはプログラミング学習を通して
- 頭の使い方
- 思考方法
を学んで欲しい、ということですね。
このプログラミング的思考を身につけると非認知能力のアップが期待できるのです。
これについて、非認知能力のなかでも
- 物事をやり抜く力
- 冷静かつ客観的に物事を判断する力
をピックアップし、なぜプログラミング教育を受けるとこれらの力が上がるのかを説明します。
地道に物事をやり抜く力がつく
プログラムを書いたことはありますか?
書いたことはないかもしれませんが、みなさんが使っているスマホアプリなどはプログラムによって動いています。
つまり、いまの私たちの便利な生活はプログラミングなしでは成立しないのです。
そんな生活に必要不可欠なプログラミングについてすこし説明します。
プログラミングとはプログラムと呼ばれる「コンピューターが理解できる言語」を書くことを意味します。
プログラミングをする人(プログラマー)はプログラムをつかってコンピューターと対話するのです。
じっさいにプログラムがどんなものかを見てみましょう。
print(‘Hello, World!’)
このプログラムはプログラミング初心者がいちばん最初に書いたりするものです。
ちなみに、このプログラムは
「画面にHello, World!という文字を書いて」
という意味です。
プログラミングはこのような言葉を一行一行積み重ねる行為です。
言語をときには数千〜数万行も書いてひとつの作品(スマホアプリやWEBサイトなど)を作ります。
言い換えると
「決めたゴールに向かって一歩づつ進む」
これがプログラミングでやることです。
このような行為を続けると
- 忍耐強さ
- やり抜く力
の向上が期待できますし、自分が書いたプログラムが期待通りに動いたら子供は達成感を得られたりもします。
達成感はいわゆる「自己肯定感」にもつながる大事な感覚ですよね。
つまり、プログラミングは
- 目標を設定
- 目標に向かって努力する
- 作品を完成させる
このような行為の繰り返しです。
だからプログラミングは「やり抜く力」を付けるための格好の教材なのです。
冷静かつ客観的に物事を判断する力が身につく
プログラミングの難しいところは、人ではなくコンピューターに言葉を伝えている、という点です。
人と会話しているときは言葉を間違えたりあいまいな表現でもなんとなくの空気感で伝わったりしますよね。
けれど、コンピューターは空気を読んだり忖度してくれません。
パソコンにはそういう能力が無いのですね。
プログラミングは一行一行の言葉の積み重ねだとさきほど説明しました。
もし1万行のプログラムを書いたとしても、そのなかの1文字を間違えただけでプログラムが動かなくなることもあります。
昨日まで上手く動いてたプログラムが今日少しいじったら動かなくなった、なんてことも普通です。
だからプログラミングをする人はなにかのトラブルが起きたらプログラムを修正しなくてはなりません。
修正するときに使う能力は
- 自分が書いたプログラムを客観視する力
- どの部分に問題がありそうかを判断する力
などです。
人は自分の人生を生きています。
自分の頭(脳)をつかって物事を考えたり判断しています。
だから、意識しないとどうしても主観的に物事をとらえてしまいます。
けれどトラブルが起きたときなどは、冷静なおかつ客観的に物事を考えた方が上手くいくことが多々あります。
人間同士の喧嘩だっておなじです。
お互いが冷静になればどうでもいいことで友達と喧嘩したりしていませんか?
もし子供に、冷静なおかつ客観的に物事を判断する力があれば学校生活での不要なトラブルが避けられるかもしれません。
今回は非認知能力のうち、プログラミング教育で育ちそうな
- 物事をやり抜く力
- 冷静かつ客観的に物事を判断する力
を取り上げましたが、ほかの非認知能力である
- 意欲
- 回復と対処能力
- 創造性
などにもプログラミング教育は良い効果が期待できるはずです。
子供にこれらの能力を身につけて欲しいなら、プログラミング教育をおすすめします。
早い時期に非認知能力が上がる教育を受けた方が有利
プログラミング教育は非認知能力を高める効果が期待できます。
では何歳からプログラミング教育を受けたら良いのでしょうか。
何歳からプログラミング教育を受けるべきかを示す研究やデータなどはありません。
しかし、この記事で紹介したペリー・プレスクール・プロジェクトを研究したジェームズ・ヘックマン教授は著書のなかで
「人的資本の収益率」
という概念を紹介しています。
「人的資本の収益率」だとわかりにくいですよね。
だから言い換えます。
「教育費としてつかったお金を分析し、何歳の時につかった教育費がもっともお金の面でリターンが多いか」
これをヘックマン教授は計算したのです。
いわば「教育費のコスパ」ですね。
最もコスパが良かったの何歳の時だったでしょうか。
わかりやすい画像があったので引用します。
これによると、教育に関しては生まれた直後がもっともコスパが良いです。
1歳よりも0歳、2歳よりも1歳、3歳よりも2歳、という風にタイミングが早いほどコスパが良くなります。
じゃあプログラミング教育も生まれた直後からがベストでしょうか?
結論を言うと、0歳から2歳くらいまではプログラミング教育は難しいです。
プログラミングは文字でしたね。
だから日本語の読み書きができないとプログラムを書くことは難しいです。
小学生になっていないと難しいでしょう。
しかし、今は幼児〜子供向けのプログラミング教材が充実しています。
このような子供向けのプログラミングは遊び感覚でプログラミングを学べるように工夫されています。
だから始めようと思えば3歳くらいかプログラミングは始められるのです。
遊び感覚で非認知能力を伸ばす
ここまでプログラミング教育と非認知能力の関係について説明してきました。
基本的には非認知能力は大事ですし、プログラミング教育は非認知能力の育てるのに向いています。
けれど子供が
「楽しい!」
って感じないと習い事は続かないですし、親も
「お金と時間の無駄」
だと思ってしまうものです。
この点、いまはゲーム感覚でプログラミングができますし、プログラミング教室も子供を取りこもうと頑張っています。
だから習い事というよりは「頭を使う遊び」のような感覚でとらえても良いと思います。
もし悩んだら試しに近くにあるプログラミング教室を探してください。
ほとんどのプログラミング教室で無料の体験教室を実施しています。
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