eVTOLパイロットの就職・勤務先の候補にはどんな企業や団体があるのか?

もしeVTOLのパイロットという新しい職業が生まれたら、どんな会社や組織で働けるのでしょうか?
これについて

  • 会社員など被雇用者としての勤務先候補
  • フリーランスや個人事業主としての働き方候補

この二つに分け、それぞれ説明します。

eVTOLのパイロットがどんな会社・団体で働けそうか、どんな働き方になりそうかを知りたい方はぜひ読んでください。

会社員など被雇用者としての勤務先候補

はじめに、もしeVTOLのパイロットになったらどんな会社や組織で雇ってもらえそうかを紹介します。

エアタクシーサービスを運営する会社

eVTOLは人を乗せて空を飛べることから
「エアタクシー」
とも呼ばれます。
いわゆる、空飛ぶタクシーですね。
もしeVTOLをエアタクシーとして利用する人が増えたら、エアタクシー専門のタクシー会社が登場するかもしれません。

日本には、株式会社SkyDrive(スカイドライブ)という会社がeVTOLの機体の開発で先行しています。
この会社はエアタクシー事業にも興味があるようで、CNETというサイトで

SkyDriveは、2023年度に大阪でのサービスインを目指して、開発のみならずさまざまなステークホルダーと連携して取り組みを加速中だ。

引用元:SkyDrive福澤CEOが語る「空飛ぶクルマ」最前線

このように書かれているように、2023年に大阪でエアタクシーサービスを実現する予定です。
もしSkyDriveがエアタクシーサービスを2023年にはじめるのなら、その前後でパイロットの求人などが出るかもしれません。

海外に目を向けると「AFPBB News」が報道した
空飛ぶタクシー、仏パリで来年6月にも試験飛行 24年五輪控え
というニュースもあります。

これから日本や世界では

  • 2024年にはパリ五輪
  • 2025年には大阪万博

などのようなビッグイベントが控えています。
オリンピックや万博のような大きなイベントでは、お披露的に新しいテクノロジーが公開されることがあります。
なので、これの前後のタイミングでeVTOLに関しても大きな動きがありそうです。

ANAやJALなどの航空会社

日本では「パイロット」は人気のある職業で、たくさんのパイロットが所属するANAやJALのパイロットに憧れている人は多いと思います。
そんなANAとJALは「未来の移動手段」として期待されているeVTOLのビジネス化にかなり積極的です。
日経新聞では以下のように報道されています。

日本航空(JAL)は2025年度に「空飛ぶクルマ」を使った事業に乗り出す。三重県などで空港と観光地を結ぶ旅客輸送サービスを始める。ANAホールディングス(HD)も25年度に同様のサービスへの参入を検討している。

引用元:JAL「空飛ぶクルマ」で旅客輸送 25年度に事業化

なので、2025年にはANAやJALによるサービスが実用化されるかもしれません。

もしサービスが実用化されたらeVTOLを操縦できるパイロットが必要になるので、ANAやJALなどもeVTOLパイロットの勤務先候補となります。

サイト管理人 南研吾
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余談ですが、JALはeVTOLの機体を開発する、ドイツのVolocopter(ボロコプター)という会社に出資しています。
JALは他にもBell Textronという、eVTOLを開発している会社と提携したりするなど、かなり本気度が高そうです。

宅配・物流系の会社

すこし前「宅配クライシス」という言葉が流行語のように使われていました。
ようは物流業界では人手不足が深刻化している、ということです。

そんな物流業界は

  • ドローン[1]千葉市:ドローン宅配の実現に向けた実証実験
  • 自動配送ロボット[2]Impress Watch:ホンダと楽天、自動配送ロボットの走行実証実験

などを使った配送の実証実験を行うなど、新しいテクノロジーの導入に積極的です。
このような流れがあるので、物流業界はeVTOLにも強い関心を示しています。

ただ

などの記事を読むと、国内宅配便大手のヤマト運輸はパイロット不要で自律運転するeVTOLを活用するようです。
なので、もし物流の現場でeVTOLが導入されたとしてもパイロットは不要ということも考えられます。

公共交通機関を運営する会社

いま「公共交通機関」という言葉を聞いたら、何をイメージしますか?
おそらくほとんどの方がバスや電車を思い浮かべると思います。

将来的には、この「公共交通機関」に新しくeVTOLが加わるかもしれません。
ただ、公共交通機関としてeVTOLが使われるようになるとしても、おそらく利用地域は限定されます。
利用されそうな場所としては

  • 過疎地域
  • 土地の高低差が激しい地域
  • 大小さまざまな島がある地域

などが考えられます。

地域は限定されますが、これらのような場所ではeVTOLのパイロットは地域に欠かせない存在として大活躍しそうです。
このような場所でパイロットが働くとしたら、勤務先は公共交通機関を運営する会社となります。

病院をはじめとした医療機関

病院によっては、病院内に「ドクターヘリ」と呼ばれるヘリコプターがあります。
ドクターヘリがあることによって負傷者や急病人を迅速に病院に搬送できるのですが、eVTOLもヘリと同じように医療機関に利用される可能性があります。

もし病院がeVTOLをドクターヘリのように利用する場合、eVTOLを運転するパイロットが必要になります。
なので病院にeVTOLのパイロットとして採用され、救助スタッフとして働くパイロットも登場するはずです。

サイト管理人 南研吾
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eVTOLや災害や事故時の救急医療の分野でも期待されています。
だから自衛隊や消防署などでもeVTOLパイロットが必要になるかもしれません。

フリーランスや個人事業主としての働き方候補

ここまで、eVTOLのパイロットが雇われるとしたらどんな会社・組織になりそうかを紹介しました。
次は、個人がeVTOLパイロットとして働くならどんな働き方ができそうかを紹介します。

大金持ちの富裕層との個人契約

個人でセスナのような小型の航空機やプライベートジェットを持つ、いわゆる「超富裕層」と呼ばれるような大金持ちは世界中にいます。
そんな大金持ちがeVTOLに興味を持ったら自分でeVTOLを購入して所有するはずです。
このとき、パイロットは大金持ちと個人で契約し、パイロットになれるかもしれません。

フリーランス・ギグワーカーとして

日本では法律上できませんが、欧米ではUberLyftを代表とする
「ライドシェア」
というサービスが普及しています。
簡単に言えば、個人が自家用車でタクシー運転手のような仕事をしているのです。

サイト管理人 南研吾
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このような仕事は日本では「白タク」と呼ばれ、法律に違反することになります。

もしeVTOLの車体や利用料金が値下がりすれば、将来的には
「空のライドシェア」
と呼べるようなサービスが登場するかもしれません。
そのときは、フリーランス・ギグワーカーと呼ばれる人たちが世界中でeVTOLパイロットとして活躍することになります。

レーシングチームのパイロットとして

まだ実現されていませんが、eVTOLでのレースをオーストラリアの会社が企画しています[3]The Verge:Airspeeder says it had the first successful test flight for its electric flying racecar
スケジュールとしては

  1. 2021年の後半に無人でeVTOLレース開催
  2. 2022年に有人でのeVTOLレース開催[4]GQ:Will Airspeeder create the first ever flying car racing series?

このような感じなので、早ければ2022年にはeVTOLレースパイロットという職業は誕生しそうです。

ただ、eVTOLレースのパイロットになるとき

  • レースチームに雇用されるのか
  • 個人事業主としてレースチームと契約するのか

どちらになるのかは全くわかっていません。

eVTOLのパイロット希望者向けのスクールの講師として

もしeVTOLが普及したら
「自分もeVTOLのパイロットになりたい!」
と思う人がどんどん増えます。

このような人が増えると、eVTOLパイロット希望者の受け皿になるサービスが誕生します。
代表的なサービスは
「eVTOLのパイロット養成スクール」
です。
eVTOLのパイロットになりたい人に技術・テクニックや知識を教える教習所ですね。

そんな、スクールで必要になるのが
eVTOLパイロットの講師(インストラクター)
です。

もし日本各地でeVTOLのパイロット養成スクールができたら、講師になれるくらいの知識とスキルがある人は引っ張りだこになります。

2028年までにeVTOLパイロットが新しく60,000人生まれる?

世界的なコンサルティング会社であるマッキンゼーが、eVTOLをふくむUAM(都市型航空交通システム)についてのレポートを報告しています[5]McKinsey & Company:Flying-cab drivers wanted
このレポートでは、2028年に全世界でeVTOLのような航空機のパイロットが新しく60,000人生まれると予測しています。

2028年、日本でどれくらいの数のeVTOLパイロットが誕生しているかはわかりません。
それでも

  • 2028年の日本の人口
  • 日本のGDPの高さ

などから推測すると、2028年には100から数千人のeVTOLパイロットが誕生しているのではないか?と思います。

もしこの中の一人になりたかったら、早めに勉強や練習に取り組むことをおすすめします。

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