この記事では
「eVTOL」
とはどんなものなのか、初心者向けにわかりやすく解説します。
eVTOLについて、ざっくりとした概要を知りたい方はぜひこの記事を読んでください。
eVTOLの言葉の意味を確認
まずはじめにeVTOL(イーブイトール)の言葉の意味を紹介します。
eVTOLとは英語の
「electric vertical takeoff and landing[1]「electric vertical takeoff and landing」の後に「aircraft」という単語がつくこともあります。aircraftとは航空機のことです。」
を省略したもので、日本語にすると
「電動垂直離着陸機[2]少し長いですが「電動垂直離着陸型無操縦者航空機」という日本語が使われることもあります。」
という風に訳されることが多いです。
「空飛ぶクルマ」として期待されるeVTOL
eVTOLという言葉が意味がわかったので、つぎはeVTOLがどんなモノなのかを説明します。
eVTOLとは電気で動く空飛ぶ機体のこと
さきほど、eVTOLは日本語だと
「電動垂直離着陸機」
という意味になると説明しました。
この言葉がeVTOLについて、だいたい説明してくれています。
言葉そのままなのですが、簡単に言うと
- 電気で動く
- 垂直(真上・真下)に離陸・着陸できる
こんな特徴を持つ機体がeVTOLと呼ばれます。
真上・真下に離陸・着陸できるということは、空を飛べるということですね。
もちろん、上下だけでなく横にも移動することができます。
つまり、eVTOLとは電気で動く空飛ぶ機体のことなのです。
人を乗せて空を飛ぶこともできる
みなさんの周りにはeVTOLによく似た機体があります。
それは、みなさんも使ったことがあるかもしれない「ドローン」です。
じっさい、eVTOLの仕組みはドローンと似ています。
違うのは、eVTOLの方がドローンよりもサイズが大きく、人を乗せて飛行できる点です。
ただ、ドローンよりもサイズが大きいと言っても、そこまで大きい訳ではありません。
機体によって差がありますが、eVTOLに乗れるのは操縦するパイロット以外だと1人〜5人くらいです[3]経済産業省:空飛ぶクルマの実現に向けた地方公共団体及び事業者等の動向調査。
だから、だいたい車くらいの大きさになります。
eVTOLの特徴まとめ
ここまでの内容を整理すると、eVTOLには
- 電気で動く
- 真下・真上や横に飛行できる
- 人を乗せて飛べるくらい大きい
このような特徴があります。
これらの特徴により、eVTOLは
「人を乗せて飛べる大きなドローン」
とも言えますが、一般的には
「空飛ぶクルマ」
こんな表現が使われることの方が多いです。
略して「UAM」。
日本語だと「都市型航空交通」という意味です。
eVTOLの機体を写真や動画でチェック
百聞は一見にしかず、という言葉があります。
eVTOLのような最近生まれた機体については、まさにこの言葉があてはまります。
eVTOLがどんな形をしているのか、写真や動画で見てみましょう。
これから紹介するのは、日本企業の株式会社SkyDriveが開発している
「SD-03」
という、パイロットだけが乗れる一人乗りeVTOLです。
まずは写真から見てみましょう。
まるでSF映画に登場しそうな近未来的な機体ですね。
次は動画です。
SD-03は2020年の夏にデモフライトしており、その様子を撮影した動画があります。
なんとなく、「人を乗せて飛べる大きなドローン」さらには「空飛ぶクルマ」がどんなものなのかイメージはつかめましたか?
次は、eVTOLについてもう少し補足説明します。
eVTOLの飛行速度や離着陸する場所は?
eVTOLの基本的な部分をもう少し説明します。
具体的には
など、いわゆるスペック的な情報について説明します。
離陸・着陸できる場所
eVTOLが離着陸する場所は
「バーティポート(Vertiport)」
と呼ばれています。
すでに説明したように、eVTOLはそこまで大きくなく、垂直に離陸・着陸できます。
だからといってどこからでも離着陸できる訳ではなく、離着陸するためには車の駐車場くらいのスペースが必要だと言われています。
もしeVTOLが普及したら、さまざまな場所がバーティポートとして利用されるはずです。
たとえば、これまで別の目的で使われていた
- 空港施設
- 大きなビルの屋上
- 立体駐車場
などがバーティポートになり、離発着に活用されることもありえます。
機体の定員
つぎは機体の定員についてです。
eVTOLの定員は機体によってかなりばらつきがあるのですが
- 娯楽・レジャーや自家用→定員は1〜2名
- 人やモノを運搬する商業用→定員は5名
※この数字にパイロットの人数は含まれていません。
このくらいがeVTOLに乗れる定員の目安とされています[4]wisdom:すでに見えつつある“空飛ぶクルマ”のビジネスモデル。グローバルの最新事情とは。
飛行速度や飛行時間
eVTOLのスペック情報の最後は
についてです。
それぞれ以下に記載したので確認してください。
- 飛行速度→娯楽・レジャー、自家用は時速150キロ。商業用は時速200~300キロくらい[6]経済産業省:空飛ぶクルマの実現に向けた地方公共団体及び事業者等の動向調査
- 飛行高度→高度150m以上の空域[7]wisdom:すでに見えつつある“空飛ぶクルマ”のビジネスモデル。グローバルの最新事情とは
- 飛行時間→平均すると15分から30分ほど[8]経済産業省:空飛ぶクルマの実現に向けた地方公共団体及び事業者等の動向調査
どんなシーンでeVTOLは活用されるのか?
いまのところ、日本政府は2030年にeVTOLを本格的に導入することを目指して色々と整備しています[9]経済産業省:空飛ぶクルマの実現に向けた地方公共団体及び事業者等の動向調査。
では、eVTOLはどんなシーンでの活用が期待されているのでしょうか。
eVTOLはヒト・モノの移動・輸送での活躍が期待されているのですが、ヒトの移動では
などのシーンでの活躍が期待されています。
モノの輸送に関しては
などでの活躍が期待されています。
eVTOLが普及すれば様々なチャンスが生まれる
ここまで、eVTOLについて基礎的な内容を説明しました。
もしeVTOLが普及したら社会が変化し、さまざまなチャンスが生まれます。
これからの普及が楽しみですね。
ぜひニュースなどでeVTOLの最新情報をチェックしてください。
引用・脚注
↑1 | 「electric vertical takeoff and landing」の後に「aircraft」という単語がつくこともあります。aircraftとは航空機のことです。 |
---|---|
↑2 | 少し長いですが「電動垂直離着陸型無操縦者航空機」という日本語が使われることもあります。 |
↑3, ↑6, ↑8, ↑9 | 経済産業省:空飛ぶクルマの実現に向けた地方公共団体及び事業者等の動向調査 |
↑4 | wisdom:すでに見えつつある“空飛ぶクルマ”のビジネスモデル。グローバルの最新事情とは |
↑5 | Lilium:Path to certification of the 7-Seater Lilium Jet |
↑7 | wisdom:すでに見えつつある“空飛ぶクルマ”のビジネスモデル。グローバルの最新事情とは |
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