マイクロソフトはMicrosoft Teamsというビデオ会議ツールを運営しています。
そんな事情もあり、マイクロソフトはビデオ会議が人の脳にどんな影響を与えるかを調査[1]Microsoft:Research Proves Your Brain Needs Breaksしています。
この調査によって
などがわかっています。
この調査を内容を簡単に説明します。
ビデオ会議を続けると脳波がどう変化するか調査
この調査の概要は以下のような内容です。
参加者には下の画像にある帽子のような器具を装着してもらい、脳波の変化をチェックしています。
調査からわかったこと
マイクロソフトの調査からわかったことをざっくり説明します。
休憩を取るとストレスレベルが下がる
想像通りといえば想像通りなのですが、休憩を取らないとストレスレベルは高くなります。
下の画像は4回の会議を休みなしで続けた人のストレスレベルの変化を表しています。
赤い部分はストレスレベルが高いこと、青い部分はストレスレベルが低いことを表しています。
1回目の会議(図だとMeeting1)だとそんなに赤くなっていません。
けど2回目の会議(図だとMeeting2)から赤くなり、ストレスレベルが高くなっていることがわかりますね。
そして3回目の会議で赤い部分は最も多くなっています。
次は会議の合間に10分の休みを挟んだ人の脳波の変化を見てみましょう。
多少の差はありますが、赤い部分は見当たりません。
休みをとっていない人の脳波と比べたら、色が全然違いますね。
赤い部分が無いだけでなく、会議ごとの色の変化も少ないように見えます。
10分の休憩は脳にとってクールダウンのような効果がありそうですね。
休憩しないと会議がはじまった瞬間にストレスレベルが上がる
マイクロソフトは30分の会議のあいだにストレスレベルがどう変化したかも公開しています。
休みなしで4回の会議を続けた人の脳波を見てみましょう。
ひとつの会議が終わり、続けて次の会議にうつった瞬間にストレスレベルが上がっています。
頭を切り替えることが脳にかなりの負荷をかけているのかもしれません。
次は休憩をとった人の脳波の変化を見てみましょう。
まず休憩によってストレスレベルがかなり下がっていることがわかりますね。
さらに会議がはじまっても急激にストレスレベルが上がったりしていません。
かなりスムースに会議に参加できているようですね。
休憩を挟んだ方が会議に積極的に参加できる
最後に紹介するのは会議にどれくらい積極的に参加したかを
- 休憩なしで会議に参加した人
- 休憩ありで会議に参加した人
このように分けてグラフ化したものです。
左側のグラフが「休憩なし」、右側のグラフが「休憩あり」の人のデータです。
※積極的に参加しているかどうかは脳波のデータで判断しています
こちらも一目瞭然です。
休憩を挟んで会議に参加した人の方が会議に積極的に参加できていることがわかりますね。
ようは高い集中力を維持している、ということです。
ZOOM疲れを予防するには休憩がおすすめ
マイクロソフトの調査では休憩には
- ストレスレベルが下がる
- 集中力が上がる
という効果がありそうだ、ということがわかりました。
当たり前といえば当たり前ですが、ZOOMなどのビデオ会議による疲れ、いわゆる
「ZOOM疲れ」
の対策としては休憩がかなり効果的のようですね。
ZOOMでなくても、頭を活動させると人の脳は疲労します。
勉強などでも同じです。
勉強の場合、長時間ぶっ続けで学習するよりも休憩を挟みながら小分けに学習した方が効果的、という実験結果も出ています[2] … Continue reading。
脳をしっかり働かせるためには休憩が必要、ということですね。
スタンフォード大学の研究によると[3]Stanford News:Stanford researchers identify four causes for ‘Zoom fatigue’ and their simple fixes、ZOOMでどんな人が疲労を感じやすいかがわかっています。
ざっと紹介すると
- 男性より女性
- 外向的な人より内向的な人
- 穏やかで精神的に安定している人より神経質な人
- 年齢が高い人より若い人
- 白人より有色人種
ZOOMで疲れやすいのはこんな人たちです。
もし一致する項目が多いなら
「自分がZOOMの会議で疲れやすいタイプなんだ」
と自覚し、適度に休憩をはさむとよい会議の生産性が上がるかもしれませんね。
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