接客などのサービス業の仕事をしていると
「家から仕事ができたらいいのに・・・」
って思ったりしますよね。
このような悩みを持つ人はたくさんいます。
そして、このような悩みを解決する方法を考えている人もたくさんいます。
そのおかげで、接客の仕事もどんどんオンライン化が進んでいます。
在宅勤務ができる仕事が増えているのです。
この記事ではオンラインを使い、お店などに来店した人を接客する
「オンライン接客」
にはどんな種類・方法があるかを紹介します。
この記事は接客に関わる仕事をしていて、在宅から接客する仕事に興味がある人向けの記事です。
もし在宅からでも働ける接客の仕事を探しているなら、ぜひ参考にしてください。
どうやって在宅から働くの?「オンライン接客」の種類
オンライン接客にはインターネットの技術をつかった接客、という意味があります。
オンライン接客で使う技術はインターネットだけではありません。
インターネットと
「ほかの技術」
をミックスして、つまり組み合わせてお客さんを接客するのです。
この「ほかの技術」とは
- AR
- VR
- アバター
- ロボット
などのことです。
これらの言葉の意味などは、読み進めるにつれてしっかり説明しますので安心してください。
いまのところは
「こんな言葉があるんだ」
くらいで大丈夫です。
技術についてはおいおい説明するとして、まずオンライン接客の種類を紹介します。
この場合の種類とは「どんな風にお客さんを接客するか」というくらいの意味です。
「オンラインで接客する方法」と捉えてくださってもOKです。
この記事で紹介するのは3種類のオンライン接客です。
あらかじめ紹介しておくと
- スマホ・タブレット・専用機器の画面越しの接客
- ロボットをつかった接客
- VR上の空間のなかでの接客
この3つです。
それぞれ紹介していきます。
スマホ・タブレット・専用機器の画面越しの接客
最初に紹介するのは
- スマートフォン
- タブレット端末
- 専用の機器
などの画面(ディスプレイ)越しに接客する方法です。
みなさん知っている身近なアイテムを使っているので、イメージしやすいと思います。
画面(ディスプレイ)越しの接客は、さらに3種類に分かれます。
それは
- 動画
- AR
- VR
です。
言葉の意味なども説明しながら、それぞれ紹介していきます。
動画をつかったオンライン接客
画面越しの接客のうち、動画をつかったオンライン接客の事例を最初に紹介します。
住宅設備メーカーとして有名なLIXIL(リクシル)がとても参考になる動画をアップしています。
下の動画を「1分25秒」くらいから見てください。
パソコンの画面に
- お客さん
- 女性スタッフ
がそれぞれ写っていますね。
スタッフがリアルタイムで動く動画をつかって接客し、お客さんに色々な説明をしています。
この動画に写っている接客方法が「動画をつかったオンライン接客」です。
おそらく、この方法がもっとも一般的なオンライン接客です。
この動画の場合は、ほんらいショールームなどの店舗でおこなっていた仕事をオンラインで行っています。
女性スタッフはリクシルが用意している部屋などから、パソコンをつかってオンライン接客しているのでしょう。
動画をつかったオンライン接客は、さまざまな分野で活用できます。
中国では銀行の受付窓口なども、動画でオンライン接客をしているようです[1]日本経済新聞:中国、銀行手続きはビデオ通話で コロナ禍で加速。
動画をつかったオンライン接客は導入が簡単という特徴があります。
おたがいの顔が見えるので、これまでの接客方法と似ていて抵抗を感じる人もすくないはずです。
接客する側もパソコンで写真などを見せながら接客できるので、それほど負担はありません。
おそらく、これからこのような接客方法はどんどん増えるでしょう。
AR(拡張現実)をつかったオンライン接客
次に紹介するのは、画面越しの接客の中の「AR」をつかった接客方法です。
ARは「エーアール」と読みます。
ARは日本語になおすと「拡張現実(かくちょうげんじつ)」という意味になります。
なんだその言葉は?という感じですよね。
難しい言葉なので、ARについてすこし説明します。
「拡張現実」という言葉を知らなくてもゲームアプリの「ポケモンGO」は知っていますよね?
ARをつかったサービスはたくさんありますが、代表的なサービスはあのポケモンGOです。
ポケモンGOでは、現実に存在する場所にスマホをかざし、その画面越しに公園を見たります。
すると、ピカチュウが公園の中に現れます。
現実の公園には、ピカチュウはいませんよね。
このときスマホの画面の中に写っているのは、いないはずの空想上の生き物(ピカチュウ)です。
ほんらい見えないはずのものが、まるでその場にいるように見えているのです。
拡張現実の「拡張」には
「(何かを)ひろげる」
という意味があります。
ポケモンGOを使うと、本当は公園にいないはずの物が見えます。
目に見えないはずの物が見えるのです。
つまりポケモンGOは人の
「視覚をひろげている」
のです。
言い方を変えれば、現実にある公園を利用して人の視覚を拡張しているのです。
このように、現実空間にはないモノや情報をスマホなどの画面で見えるようにする技術が「拡張現実」です。
いままでの説明がわかりにくい場合は
「専用の画面に何か表示されるのがAR」
くらいに考えてもらっても大丈夫です。
ARについての説明が長くなりましたが、ARをつかって接客する方法を紹介します。
こちらも、まずは動画をみてください。
デモなのでまわりが暗くなっていますが、ほんらい明るいところでも使えます。
動画の中では、薄いガラスのようなものがディスプレイになっています。
そして、ディスプレイの中に人の映像が写しだされています
ほんらい誰も写っていない画面(ガラス)に、人が写っているのです。
最初に紹介した、動画をつかった接客はお客さんとスタッフが両方ともインターネットを使わないと接客できません。
ARだとインターネットを使うのはスタッフだけでもOKです。
お客さんには店舗に来てもらい、自宅にいるスタッフがARで接客する、ということが可能になるのです。
ARをつかったオンライン接客はアパレル業界などで活用できます。
自分が着る服はきちんと見て、さわり、試着してから買いたいというお客さんはたくさんいます。
このようなお客さんにたいしてARで接客すれば
- お客さん
- スタッフの店員
の両方とも濃厚接触が避けられます。
これはお互いにとって助かるサービスになるはずです。
VR(仮想現実)をつかったオンライン接客
スマホ・タブレットや専用の画面越しの接客の最後に紹介するのは、VR(ブイアール)をつかった接客です。
ARの日本語の意味は「拡張現実」でしたね。
VRを日本語にすると「仮想現実」と訳されます。
こちらはARよりは少し身近で想像しやすいのではないでしょうか。
ARではポケモンGOを例として紹介したこともありますが、スマホの画面を使いましたよね。
スマホだけでなく、大きな透明のガラスのような画面も使いました。
VRでも同じように画面をつかいます。
VRでもいろいろな画面をつかえますが、一般的には「ヘッド・マウント・ディスプレイ」と呼ばれる、頭に装着する専用器具の画面を使います。
数年前に発売された商品ですが、下の動画はソニーが販売したHMDのプロモーション動画です。
この動画をみるとわかりますが、HMDをつけると目の周りがすべて遮断されます。
HMDを装着した人が目を開くと、HMDのなかにある画面が再生する映像を見ることができます。
ながれる映像は普通のテレビで見るような平坦な映像ではありません。
立体的で、まるで自分がその世界の登場人物になったように感じるほどです。
もちろん静止画だけでなく、動画も見ることができます。
いまのところ、ゲームやアーティストなどがVRを活用することが多いです。
ふたたびですが、動画を見てください。
この動画をスマホでみても、平面の動画にしか見えません。
けれど、もしHMDをつかってこの動画を見ると自分が「嵐」のライブ会場にいて、手を伸ばせば届く距離でライブしてくれているように感じます。
臨場感が格段にあがるのです。
嵐のような超人気アーティストのライブの最前列をとるのはとても難しいです。
ですが、VRなら最前列よりも近い距離でライブに参加できます。
しかも、席数の制限がないので何人でも良い場所からライブを見れます。
ファンにとっては最高の経験ですよね。
つまり、VRはHMDをつける人の視界を
「他の空間に運ぶ」
のです。
仮想空間上につくられた場所に移動させるのですね。
かんたんですが、以上がVRについての説明です。
事例としては、接客業でのVR活用事例を紹介します。
接客業では、すでにVRは活用されています。
けれど、接客するときVRをつかう場合はお客さんにHMDをつけてもらうのは難しいです。
なので、HMDを使わないでお客さんに仮想空間を見てもらいます。
この場合は
- 専用のディスプレイ
- タブレット端末
などが店舗などに置かれます。
そして、設置されたディスプレイに接客する人が登場します。
つまり、接客する側が仮想空間に登場するのです。
これなら接客業でも在宅で働くことができます。
VRで接客する場合、接客する人自身を画面に登場させることができます。
さらにアバターをつかって接客することも可能です。
参考になる動画があります。
4分30秒くらいから見てください。
アバターで来客した人を接客しているのがわかります。
このように、アバターをつかって接客すると特に女性はいろんなリスクを避けられます。
たとえば
- ストーカー
- 盗撮
- セクハラ
などですね。
現在、さまざまな企業がVRをつかった「ヴァーチャル接客」に取り組んでいます。
企業側もVRをつかった接客にはメリットがあると考えているようです。
誰もが当たり前のようにアバターをつかって在宅から接客する、こんな日もそう遠くないでしょう。
ロボットをつかった接客
オンライン接客にはおもに3つの種類がありました。
- スマホ・タブレット・専用機器の画面越しの接客
- ロボットをつかった接客
- VR上の空間のなかでの接客
ここまでの記事で、この中の一番上の「スマホ・タブレット・専用機器の画面越しの接客」の紹介が終わりました。
次は「ロボットをつかった接客」です。
「画面越しの接客」の説明がかなり長くなりましたが、ここからは少し短い説明になります。
というのも、画面越しの接客は少しづつ実用化されていますが
- ロボットをつかった接客
- VR上の空間のなかでの接客
この二つの接客方法については、実用化がそこまで進んでいないからです。
ではロボットをつかった接客を紹介します。
ロボットをつかって接客する場合、接客スタッフはロボットを操作してお客さんを接客します。
想像しにくいと思うので、ふたたび動画をみましょう。
こんな感じですね。
この動画では、受付にロボットがいて来客した人を接客しています。
人の代わりにお店などで仕事をしてくれるロボットは
「アバターロボット」
と呼ばれることがあります。
日本ではANAが積極的にアバターロボットを導入しています。
もちろん、ロボットの「顔」の部分に映るのは本人の顔である必要はありません。
バーチャルなキャラクターを登場させたりすることもできます。
ロボットをつかった接客にはなんといっても「移動」ができる、というメリットがあります。
移動しながらお客さんに商品を案内できるので、アバターロボットにはさまざまな接客・サービス業で活躍できるポテンシャルがあります。
VR空間での接客
最後は「VR空間での接客」です。
すでに書きましたが
- ロボットをつかった接客
- VR上の空間のなかでの接客
この二つは、まだあまり活用されていません。
そして「VR空間での接客」については、普及するのは最も遅くなるのではないか、と思います。
とはいえ例をだしましょう。
「ユメノグラフィア」という、VR空間でバーチャルのキャラクターと会話が楽しめるサービスがあります。
お客さんはお金を払ってキャラクターとお話をする、というサービスです。
このサービスで、仮想空間で働くキャストを募集しているようです。
他サイトの記事から募集内容を引用します。
募集職種:「ユメノグラフィア」のキャスト
採用形態:業務委託契約(出来高制)
採用予定人数:若干名
業務対価:750円/30分+インセンティブ(条件あり)
※今後、ギフト収益の一部を追加報酬として加算予定
勤務地:在宅(基本的に通勤なしの完全リモート)
勤務時間:シフト制(1シフト最短30分~)
その他:VRデバイス等、必要な機材貸与あり
30分で750円という給料を見ると、なかなか待遇は良さそうですね。
ユメノグラフィアのようなVR空間をつかった接客サービスは、それほど多くありません。
利用する人も、いまのところ多くありません。
このような、完全にVR空間だけで完結するようなサービスが普及したとき「VR空間での接客」という仕事が増えるはずです。
しかし、まだまだ先になりそうだなあ、というのが正直な感想です。
接客業・サービス業も在宅で働ける
長くなりましたが
- スマホ・タブレット・専用機器の画面越しの接客
- ロボットをつかった接客
- VR上の空間のなかでの接客
などについて、事例をつかいながら紹介しました。
仕組みとしては接客・サービス業でもオンライン接客ができるようになっていることがわかったと思います。
ただ、オンライン接客を導入するかは会社が決めることです。
現場がいくら
「オンラインで接客したい」
と意見しても、これはなかなか決められません。
とはいえ、新型コロナのこともあり、オンライン接客をしたいと考えている人は多いはずです。
このような場合、オンラインで接客できる職場に転職することも選択肢にした方がいいかもしれません。
当サイトの別の記事で、テレワークについての記事がいくつかあります。
このような記事も参考にして、オンライン接客がテレワークを検討してください。
引用・脚注
↑1 | 日本経済新聞:中国、銀行手続きはビデオ通話で コロナ禍で加速 |
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