何かに困ったとき、新しい物事を追加することで解決しようとしていませんか?
解決すべき問題があるときは、何かを加えるのではなく減らすことも考えてみては?
という研究が発表されているので紹介します。
人の問題解決方法の傾向を調べる実験
今回紹介する実験は、人はどんなやり方で問題を解決する傾向があるかを調べたものです[1]Nature:People systematically overlook subtractive changes。
具体的には参加者1,153人に対して、これから挙げるような問題を解決してもらう実験です。
実験その1
不安定な構造のレゴ(下の画像)がある。
そのレゴの上にレンガがおけるよう、レゴの構造を強化する

実験で使われたレゴブロック
実験その2
パズル(下の画像)を上下左右対称になるように色を変える

実験で使われたパズル
他にも6個の似たような実験を実施しています。
実験からわかったこと
実験結果は以下のようになりました。
レゴの上にレンガを置けるように安定させる実験の結果
→レゴを減らすことによって安定させることを選んだ人は全体の41%
パズルを上下左右対象になるように色を変える実験の結果
→緑色を白色に変えることで上下左右対称にしたのは全体の20%
こんな感じで、全体としては
「人は問題を解決するときは(減らした方が楽なときも)何かを加えようとしがち」
ということが実験からわかっています。
ただ
「減らすことによっても解決できる」
っていう風に最初から意識させると、何かを減らすことで問題を解決する人が一気に増えたみたいです。
ようは、自然のままだと頭の中に「何かを減らす」という選択肢が浮かびずらいのですね。
どうやら人は何かの問題を解決しようとするとき、最初は
「何を加えてこの問題を解決しよう?」
と考える傾向があるようです。
これについて、発表者であるGabrielle Adamさんは
「新しいヒューリスティック」
と語っているので、これからどんどん研究が進むかもしれません。

最初から減らすことも選択肢に入れることが大事
仕事をしていると
こんな風に「増やす」ことが良くあると思いませんか?
最初からこんな風に考えてしまうのは、人の思考方法の偏りによるものです。
だから何かの問題を解決するときは
- 最初に目的を明確にする
- 目的を達成するためには何かを加えた方が良いのか、それとも減らした方が良いのかを考える
こんなステップを踏むだけて、より良い問題解決方法が浮かぶかもしれません。
引用・脚注
↑1 | Nature:People systematically overlook subtractive changes |
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