学位保険を一言で表現すると
「大学側が学生一人ごとに保険料を支払えば、学生が卒業後5年間の収入が保証される仕組み」
このようになります。
学位保険は、基本的には大学側が学生の保険料を負担、つまり保険を支払います。
一人当たりの保険料は決して安くありません[1]大学は学生1人あたり1,000ドル(約11万円)から4,000ドル(約44万円)の保険料を支払う、とされています。。
なので、大学にとってはかなりの出費になります。
では、大学が学位保険を導入するのにはどんなメリットがあるのでしょうか。
この記事では、大学などの高等教育機関が学位保険を導入するとどんなメリットがあるかを紹介します。
学生に学ぶことの金銭的価値を提示できる
学位保険では学生に対して
「卒業してから5年間保証される年収」
が提示されます。
この金額は、その学生と同じような
- 大学
- 専攻
などを選択した人が将来的に稼ぐであろう金額です。
ということは、学生たちは自分が学んでいることの金銭的な価値を知ることになります。
大学は教育機関ですが、社会で活躍する人を育成する場でもあります。
自分が大学で学んで得た知識やスキルが社会に出たらどれくらいの価値を持つかを知ることは、学生にとって良い影響があるはずです。
大学の卒業率が上がるかもしれない
学位保険を利用すれば、学生は卒業後5年間の収入が保証されます。
ということは、学生は大学を卒業しないと学位保険を利用できない、ということでもあります。
学生にとって
「卒業後5年間の収入」
というのはかなり魅力的ですので、卒業に対してのモチベーションが高くなります。
すると、大学が学位保険に加入していれば学生の卒業率が高くなる可能性があります。
「学位保険を導入している大学」として学生にPRできる
学位保険は2021年、アメリカの大学で試験的に導入された新しい仕組みです。
アメリカでも導入されたばかりなので、日本で学位保険を導入している大学というのは聞いたことがありません。
ということは、もし学位保険を日本でいち早く導入したら
「学生のための新しい仕組みを導入している先進的な大学」
という風にメディアを通して学生のPRできるかもしれません。
卒業した学生が貧困に陥る確率を減らせるかもしれない
繰り返しになりますが、学位保険は学生が大学を卒業してから5年間の収入を保証する保険です。
いまの時代、大学を卒業したからといって良い会社に就職できるわけではありません。
それなのに、学生にとって大学の学費はとても高く、大きな負担になっています。
けれど、もし卒業後、5年間の収入が保証されていたらどうでしょう。
その学生は大学で学んだ知識・スキルに相応しい収入を得ることができます。
ということは、大学を卒業してもある程度の生活能力・返済能力を得られるということでもある。
このような仕組みがあれば、大学を卒業した学生にが貧困に陥る確率を減らせるかもしれません。
引用・脚注
↑1 | 大学は学生1人あたり1,000ドル(約11万円)から4,000ドル(約44万円)の保険料を支払う、とされています。 |
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