これからの社会は、プログラミングなどのデジタルスキルが大事だと言われています。
けど、プログラミングスクールの料金は高く、けっこうな額のお金が必要です。
お金の問題でプログラミングなどのスクールを諦めた人はけっこう多いのではないでしょうか。
仮にですが、もしプログラミングスキルをみっちりと教えてくれるスクールから
「授業料は出世払いでいいよ!」
と言われたどうでしょう?
ちょっと興味がわきませんか?
このような仕組みのサービスは、すでに日本にあります。
おそらく、これからIT・デジタルスキルを学べる新しい形のスクールとして、出世払いの仕組みを導入した
「出世払い型(ISA)スクール」
というサービスが、向上心のある若者の間で人気になると思います。
この記事では出世払い型(ISA)スクールのおおまかな概要や仕組みを紹介します。
「専門スキルを身につけたいけど、いまはお金が無くて・・・」
という方はぜひ読んでください。
出世払い型(ISA)スクールとは?
おそらく
「出世払い型(ISA)スクール」
という言葉の内容や意味を詳しく知っている人は少ないと思います。
なので、出世払い型スクールの具体的な仕組みを紹介するまえに、まずはざっくりとした全体の概要を紹介します。
「ISA」って何?
まずは出世払い型(ISA)スクールの「ISA」という言葉に注目しましょう。
ISAは、英語の
「Income Share Agreements(インカム・シェア・アグリーメンツ)」
という言葉の頭文字をとったものです。
これは、日本語に翻訳すると
「所得分配契約」
という意味になります。
「所得分配契約」とは言葉そのまま、所得つまり収入を得たらそれを分けることに同意する、という契約のことです。
どちらも意味は同じです。
出世払い型(ISA)スクールでは、受講生とスクールが所得分配契約を結びます。
この契約をすると、受講生はスクールに対して受講料を前払いなどで支払う必要がなくなります。
その代わり、スクール卒業後に収入が得られるようになってから受講料の支払いが発生します。
さいきんキャッシュレスの後払いアプリなどが人気ですが、ISAも後払いの一種と考えられます。
ただISAでは、後払いするのは出世したときだけです。
つまり、将来あるていどの収入を得られるようになったときにだけ、契約にしたがって受講料を払うのです。
だから、日本では
ISA=出世払い
と呼ばれ、ISAの仕組みを採用したスクールが。
出世払い型(ISA)スクール
という風に呼ばれているのです。
出世払い型(ISA)スクールは世界中で増えている
いま、出世払い型(ISA)スクールは世界中で増えています。
理由としては
- 需要が高い仕事に就職するのに必要な専門的なスキルを学べる
- 借金をして高い受講料を支払う必要がない
この二つが考えられます。
日本もアメリカも、奨学金や学生ローンが大きな社会問題になりつつあります。
学費が高騰し、借金(奨学金等ですね)をしないと大学などで高度な教育を受けれない人が多いのです。
なのに、いまの時代は大学を卒業したからと言って良い会社に就職できるわけではありません。
昔からある教育機関では現代の仕事に必要なスキルを身につけるのが難しくなっているのです。
出世払い型(ISA)スクールはこれらの問題を解決するサービスとして期待されています。
出世払い型(ISA)スクールを利用すれば、人気企業の間でニーズが高いスキルを身につけられます。
さらに、出世払いなので、借金をしなくても学ぶことができます。
簡単にいえば、出世払い型(ISA)スクールならお金が無くても就職しやすいスキルを身につけられるのです。
このような特徴があるので、人手不足や若者の借金問題の解決につながるサービスとして世界中でニーズがあり、増えています。
出世払い型(ISA)スクールで学べるスキルの事例
出世払い型(ISA)スクールの全体概要の最後として、どんなスキルが学べるかを簡単に紹介します。
さきほど
「需要が高い仕事に就職するのに必要な専門的なスキルを学べる」
と説明しましたが、学べるスキルの例をあげると
- プログラミング
- テックセールス(テクノロジー製品の営業スキルのこと)
- プロダクトマネージメント
などがあります。
これらはどれも需要が高い実用的なスキルで、しっかり学べば就職できる確率はかなり高くなります。
さらに言うと、出世払い型(ISA)スクールはただスキル・知識を学べるだけでなく
「就職してから活用しやすい実践的なスキルを学べる」
という特徴もあります。
だから、将来性があって実用的なスキルを学びたい方にはおすすめできます。
出世払い型(ISA)スクールの仕組み
ここまで、まずはざっくりとした
「出世払い型(ISA)スクール」
の概要を説明しました。
つぎは、一般的な出世払い型(ISA)スクールの仕組みを順序立てて説明します。
入学には条件を満たし、選抜テストに合格しなければならない
出世払い型(ISA)スクールは、よくある社会人向けのカルチャースクールのように、どんな生徒でも受け入れている訳でありません。
入校のエントリー(申し込み)をするには、それぞれのスクールが定める条件を満たさないといけません。
そして、エントリー後のテストに合格しないと入校できません。
また、いつでもエントリーできる訳ではありません。
出世払い型(ISA)の場合、生徒を募集する期間が決まっています。
たとえば、生徒を募集する場合は
〇〇月1日から〇〇月14日までエントリー受付中
というような、まずは受講を希望する人のエントリー期間が設けられます。
エントリーするのは無料ですが、ほとんどのスクールはエントリーできる人の条件をきっちり定めています。
条件としてよく設定されているのは
- 年齢(基本的に30歳以上は厳しめ)
- スクールで学習できる時間(学習時間をきっちり確保できない人はNG)
- 学習に対しての高いモチベーション
などが多いです。
けっこう厳しめですが、ISAの仕組みだとスクールは受講生に就職に成功してもらわないと大損します。
なので仕方のない部分はあります
条件を満たしたら、次はテスト(テストの内容や審査基準はスクールによって違います)です。
テストに合格した人だけが生徒として入校することができるのです。
すでに説明したように、出世払い型(ISA)スクールはかなり実践的なスキルを身につけられるスクールです。
そのせいか、入校できる受講生の数はそれほど多くありません。
なので、スクール側が入校・受講を希望する生徒をテストなどで選抜する仕組みになっているのです。
出世払いなので入学金や学費の前払いは不要
スクールが定めるテストに合格したら、コースの受講となります。
このあたりはスクールによって違いますので個別で確認してください。
すでに説明したように、出世払い型(ISA)スクールでは入学金や受講料は0円です。
ですが、実践的なスキルを学ぶためには
- パソコン
- 書籍などの教材
などが必要で、もしこれらが無い場合は自費で購入しなければなりません。
このあたりは個人の所有物になりますし、就職してからも活用できるので買って損をすることはないと思います。
スクールで学習する期間は数ヶ月が基本
出世払い型(ISA)スクールでは、社会で役立つ専門的なスキルを身につけられます。
そのせいか、1・2週間の短期間でスキルを学んでハイ終わり!というスクールはまずありません。
卒業まで短くて3ヶ月はかかり、長い場合は半年以上かかることもあります。
このあたりは専門的なスキルであればあるほど時間がかかる、と考えてください。
学習はオンラインで行われることが多い
出世払い型(ISA)スクールの授業は場合はすべてオンラインで完結することが多いです。
オンラインなので、受講生にとっては
- 受講にあたって交通費がかからない
- 決まった時間に教室などにいく必要が無い
などのメリットがあります。
ただ、オンラインだと学習しているとき孤独や不安を感じたり、内容に飽きたりすることがあると思います。
授業の途中で何かにつまづくこともあるでしょう。
そんな受講生のために、講師との一対一での相談やスクールが開催するイベント参加などは可能になっています。
このあたりは、スクール側としても出世払いなので生徒には卒業して就職してもらわないと困る、という事情があります。
なので、出世払い型の場合はどのスクールもかなりしっかり受講生をサポートしてくれると考えて間違いありません。
スクール側は出世払いの契約をしているので、受講生に「ちゃんと企業に就職して戦力として活躍してもらいたい」。
このように、利害が一致しているから運営企業側も一生懸命サポートしてくれます。
もし生徒が途中で脱落してら料金はどうなる?
出世払い型(ISA)スクールというのは、手元に現金があまり無い人(とくに若い人)にとってはとても魅力的な仕組みです。
ですが、出世払い型(ISA)スクールの授業は一般的な社会人スクールと比べてかなり濃く、厳しいものです。
それに、需要が高いITやデジタル系の知識を学ぶことが多いので、根っからの文系という方はまったく合わない可能性があります。
もしスクールに合格して受講したけれど
- やってみたら授業に全くついていけない
- 全く向いていないことに気づいた
- 他の理由で途中でスクールを辞めることを決意した
などの場合、お金はどうなるのでしょうか?
結論をいうと、入学して4週間以内にやめた場合はお金がかからないことが多いです。
もし5週間後からやめた場合、お金がかかってしまうことが多いです。
ただ、このあたりはスクールによって違います。
とても大事な部分なので、もし特定のスクールの受講を考えているならエントリー前に必ずチェックしておきましょう。
スクールは受講生の就職も支援してくれる
出世払い型(ISA)スクールのコースで専門的な知識を身につけたら、次は仕事探しです。
多くのプログラミングスクールがそうであるように、出世払い型(ISA)スクールもIT企業などとつながりをもっています。
なので、キャリアカウンセリングなどを含めた就職の支援はばっちりしてもらえます。
何度も言いますが、出世払い型(ISA)スクールは受講生が就職し、社会で活躍してもらわないと大損になります。
なので、受講生の就職活動についてはかなり手厚いサポートが期待できます。
卒業後、ISAにしたがって学費の支払いは出世払い
出世払い型(ISA)スクールの場合、基本的には学費の支払いは就職して収入を得てからはじまります。
さらに補足すると
「学費の支払いが始まるのは、スクールで学んだスキルと関連がある仕事に着いた場合のみ」
という風な条件をもうけている会社もあります。
ただ
- 収入がいくらに達してから支払いがはじまるのか
- 毎月給料の何パーセントをスクールに支払うのか
- 上限としていくらまで支払う義務があるか
などはスクールと学生が交わしたISA(所得分配契約)によって変わります。
事例として、いくつかの有名な出世払い型(ISA)スクールがどのような契約をしているかを紹介します。
日本の「CODEGYM ISA(コードジムISA)」は以下のようになっています。
就職して月収が23万円以上(年収にすると276万円以上)になってから毎月月収の10%を支払う、ということですね。
受講料の支払いは上限である99万円分の支払いが完了するまで続きます。
つぎは、数千人の受講生がいると言われている、アメリカの「Lambda School(ラムダ・スクール)」です。
最後は「Microverse(マイクロバース)」です。
国内外の代表的な出世払い型(ISA)スクールでは、支払いの条件は以上のような感じになっています。
もし受講するなら、必ず応募前に料金体系を確認してください。
もし就職後に収入がなくなったら、支払いは義務はいったんストップ
出世払い型(ISA)スクールの仕組みの最後として、就職してから色々な事業で退職し、収入がなくなった場合どうなるかを説明します。
これは、シンプルに失業などで仕事と収入を失ったらスクールの受講料の請求もストップします。
つまり、支払わなくて良くなるのです。
ただ、再び就職して安定した収入を得られるようになったら支払いは再開します。
会社都合・自己都合に関係なく、仕事と収入を失ったらスクールへの支払いもストップできます。
出世払い型(ISA)スクールは受講生が損をしにくい仕組み
ここまで、出世払い型(ISA)スクールの
- おおまかな概要
- 入学〜卒業。さらには就職後の支払いなどの仕組み
などを紹介してきました。
もちろん出世払い型(ISA)スクールにも欠点はあるのですが、基本的には受講生が損をしにくい仕組みだと思います。
これからは専門スキルの価値や重要性は高くなる一方です。
もし
「稼げる専門スキルを身につけて自分のスキルで稼いでいきたい」
と考えているなら、ぜひ出世払い型(ISA)スクールを選択肢に入れてください。
お金がネックでプログラミングスクールへの入学を断念した人などにもおすすめです。
引用・脚注
↑1 | PRTIME:国内初のISA採用のエンジニア養成校「CODEGYM」を運営するLABOTが3.1億円の資金調達を実施。 |
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↑2 | CODEGYM ISA:よくある質問 |
↑3 | Tech Crunch:学費出世払い方式のプログラミングスクール「Microverse」、世界188カ国の生徒が参加 |
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